JIA長野県クラブ「代表日誌」 2016年9月

公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 長野地域会

JIA長野県クラブ「代表日誌」 2016年9月

JIA長野県クラブ 山口代表より「代表日誌」 2016年9月 が届きました。(2016年9月30日)

 

9月1日 

第3回常任幹事会:8日に行われる今年度第1回の役員会の議題を検討する。

総務委員会で3点。まず地域会所属の協力会員へのBulletin配布の件について。今までも何回か説明しているがお許しいただきたい。3年前の役員会で、公益法人に伴う会員資格の整備の一環で協力会員はJIAの正式な会員となるので全社にBulletinを配布することが決まっていて、暫定的措置である今年度までの配布の選択制を来年度以降どうするかというものだが、長野、神奈川、千葉地域会の要望である選択制を継続する方向で役員会に諮られる。もし予定通り配布が実施された場合、1社あたり手数料も含め年間3000円の負担で、当会の場合年間で約20万円になる。選択制を今後も継続することに決まれば協力会全社に意向を確認し、希望する社には配布することになる。その場合でも、手数料は配布だけではなく様々なサービスの話なので来年度から6万数千円+希望する協力会への配布分の負担増は避けられない。

地域会活動費の使途ガイドラインについては、支給金に限り適用されるということで一部の文言を修正し役員会に上程される。当会には全く影響はないが、使途を報告することにはなる。

支部経費の中で去年から問題視されているHPの外注費(年間150万円程度)については、全面リニューアルの方向に対する支持が多かった。当会の例も紹介したが、支部の場合全体のボリュームも大きく、内容も多岐に渡っているので膨大な作業量になると思われる。

次に地域会活動費配分についての支部長の意向について。昨年度15.8%程度削減されたが、今年度と次年度はこの額で継続し、2018年度から抜本的に見直す方向が示された。今年度中には方向を決め役員会、通常総会に諮られることになる。大幅削減は避けられないかもしれない。

今年度改選になる選挙管理委員会委員承認について。4年間勤めていただいた清水さんにかわり長島さんを推薦させていただいた。委員長兼任で恐縮だがご承諾いただいた。清水さんご苦労様でした。

その他、支部大会、アーキテクツガーデンの報告や北関東甲信越課題設計コンクールのHP作成などが話し合われる。

終了後、支部長他5名で近くのレストランでアルコールをいただきながら夕食会。その席で“松露”が話題になる。追分の野生司文京地域会代表の山荘には自生するので、来年の香山先生の草刈りパーティーには支部執行部の皆さんも参加するかもしれない。支部長はその後タイのバンコクに出張とのことで羽田空港に向かわれた。

 

9月 2日 

災害対策委員会+住宅部会合同シンポジウム「建築家の職能と住民参加型の震災復興を考える」が行われる。災害対策委員会は毎年シンポジウムを開催していて、今年は住宅部会との合同企画になった。委員会は支部の各都県から選出されていて、通常WEB会議で委員会を行っているが、お世辞にも機動力があるとは言えない。今回は住宅部会のマンパワーに全面的に頼ることになった。企画は委員会から出されたもので、宮城地域会で5年以上に渡って被災地の復興支援に関わってこられた手島浩之さんの活動を関東甲信越支部で発表していただきたい、というのが発端だった。

WGは半年前からスタートし、両者からメンバーが選ばれたが、私はほとんどお役に立てなかった。パネラーは手島浩之さん、災害時の行政の担当者だった今野政明さん、市古太郎首都大学東京准教授という構成で3時間の渡るシンポだったが、時間は全く足りなかった。

初めに岡部本部災害対策会議議長から関東大震災と阪神淡路大震災から今回の熊本地震、将来発生の可能性が指摘されている首都直下型地震、南海トラフ地震の概要と復興支援の比較データが説明され、今後我々が目指すべき方向の問題提起がなされた後、手島さんが関わった石巻市北上地域のまちづくり活動が報告された。

行政側の今野さんのお話も総合すると、当初コンストラクション・マネジメント(CMR)で対応していたが対象が膨大で委託業者だけでは対処できない状況の中で、北上地区では土木コンサルタント作成の高台移転案を住民が拒否したことにより新たな形の住民参加の震災復興が始まったようだ。このような経緯で始まった、震災以前から地区に関わっていた北海道大学環境社会科宮内研究室と宮城地域会と行政が丁寧に住民との合意形成を諮りながら行っている、現在も継続中のまちづくりの発表である。詳しい内容は宮城地域会で発行している〈「北上地域まちづくり委員会」支援活動報告書〉(¥1000)に譲るとして、ボランティアで自身の半分の時間を5年以上も費やす手島さんの地域への情熱とその姿勢に感動とともに畏敬の念さえ覚えた。そして、我々にここまでできるか?という問題提起を突きつけられたような気がした。

市古先生は様々な災害復興に関わりながら、「事前復興」を唱えて首都直下型地震への取組を積極的に行っていらっしゃる研究者である。「レジリエンシー(回復力)」をキーワードに阪神淡路、東日本大震災の経験を踏まえて現状での「事前復興」の展開と、気仙沼で連さんと行っている震災後の復興支援活動の発表だった。

終了後、懇親会に片倉副部会長(来年度部会長)と共に参加した。ここでも住宅部会の独壇場だった。改めて敬意を表します。あのパワーは凄い!

 

9月3日 

準寒冷地温熱教室第4回「躯体性能をデザインする」第4回-パッシブ設計のキモ、日射熱制御の効果:今回から会場が“えんぱーく”に変わる。そこで吉田さんの計らいで午前中えんぱーくの中野センター長のご案内で見学会が開催された。個人的には引渡し前の建築士会主催の建学会以来である。塩尻市は市民参加のWPを経てコンペで柳澤潤さんの案を採用した。運営上も様々な知恵を出しながら施設の有効利用に勤めていらっしゃる。先月決定された広丘地区の交流センターでも三井所さんを委員長にプロポーザルが実施された。決して楽ではない手法をあえて選び実践されている姿勢に敬意を表したい。

さて、4回目となる温熱セミナーだが今回はウッドマイルズの考え方の紹介後、日射熱制御(遮熱と取得)についての講義が行われた。外皮平均日射熱取得(ηA) 、日射熱取得率(η) と熱貫流率(U値) から補正係数より導かれた日射取得量の算出方法と冷暖房負荷計算による機器の選定、気象データから熱損失と取得計算による日射熱の損得負荷計算を学ぶ。

聞いている時は分かったつもりでいるのだが、2〜3日もするとほぼ忘れてしまうのは年齢の所為かはたまた能力の問題か?

終了後Hさんの蓼科スタジオに向かう。10年以上続いている(住宅展より歴史があることになる)松本のみなさんの麻雀大会に(強制的に?)参加するためだ。長野と安曇野からそれぞれ1人づつ、佐久から2人、松本から4人という構成で優勝候補は松本のKさんか? 私は弱い。。。

用意された食事にアルコールが付いていたために、始める前から何人かはすでに出来上がってしまっている。それでも強行され半チャンを計4回やったが、佐久のKさんが圧倒的な強さで勝利し、安曇野の方は最初から呂律が回らない状態でチョンボを連発しダントツ最下位に沈んだ。私は1位、2位、3位、4位がそれぞれ1回づつの総合5位という成績に終わった。まぁこんなもんだろうと思う。冬にも開催されるそうなので、興味ある方はいかがですか?

 

9月5日 

支部災害対策委員会のWEB会議を欠席する。実家が家業を閉じることになり可能な範囲で手伝っているが、その関連の打合せで行った実家でスズメ蜂に襲われ頭から首にかけて6カ所刺されてしまった。近くの診療所で手当をしてもらったが痛みがひどくて、打合せ後何とか運転して事務所には戻ったが、結局その後何もできなかった。死に至ることもあるということなので、皆さんも気をつけましょう。

 

9月7日 

今日は10時から事務局で今年度初の湯田中活性化WGだったが、メモにも残していなくて完全に失念し欠席してしまった。老いによる衰えが大分激しいようだ。REVICの担当だった高野さんが他に移りしばらく開かれていなかったが、広瀬さんと下崎さんが関わったリニューアルが終了したので今までの結果報告及び反省と今後の取組の方向を探る会議だった。西澤副代表からのご報告では、“WAKUWAKUやまのうち”の役員の変更などもあり完成した4件以外の具体的な進展は現在のところなさそうである。難しい案件をまとめていただいたお二人に感謝したい。設計に対する評価も高いようである。当会にとって初めての具体的なまちづくりへの参画なので、今後とも機会が与えられれば積極的に関わって行きたいと思う。

午後は1日の支部常任幹事会の議事録作りを行う。

 

9月8日 

午前中、10月27日から29日に開催される大阪大会の登録とホテル予約の手続きをする。全国大会への参加は長野県クラブは毎年3〜4人程度だが、新潟や群馬地域会は結構多いし、全国的に見ても当会はかなり少ない方だろう。恐らく地域会の活動が活発なので、十分なのかあるいはそこまで手が回らないというのが実情ではないかと思う。近畿支部からは関東甲信越支部に対して300名の参加要請があるようだが、6月の支部大会で150名です。大阪は商都と言われ、それに絡めて“笑都物語” と謳って、落語家案内の大阪クルーズツァーなどの企画もあるようです。

第1回支部役員会:1日の日誌でふれた審議事項はすべて承認された。その中で東京の地域会のベテラン幹事から不満が表明された。

幹事への役員会資料配布は前日か前々日で、そこに至った途中の資料も提示されないので内容はよく分からない。常任幹事会をへて議事になった経緯も分からないし、知識もないので反対もできない、というものだ。当然準備する側にも言い分はある。膨大な資料の中から分かりやすいものを適宜配布することの困難さや、配布しても多くの人は見ないだろうということ、生煮えの内容を議題に載せれば時間がいくらあっても足りない、などだ。これは組織を運営する際困難さを伴う永遠のテーマだろう。

当会でも昨年の選定議員会で幹事会の役割を指摘され、今年度は総務委員会と幹事会の役割を明確にした。また会員への素早い情報の提供はHPのリニューアルで対応しようとしている。それでも至らぬことは多々あるはずなので、ご意見を気軽に寄せていただきたいと思います。

支部では、収支の黒字化を目指す議論は逐次幹事に報告すべく努力することになった。

 

9月9日 

第11回 上田情報ビジネス専門学校「ものづくりの楽しさを伝える雑学講座」:今年は山口満さんに講師をお願いした。山口さんはご存知のように信大で教鞭をとっていらっしゃった教育者の顔もお持ちです。設計と計画がテーマで、歴史も交えた本格的な講義でした。金曜の会の部会と例会に出席のため中座せざるをえず、最後まで聴けなくて非常に残念だった。

金曜の会「建築家 内藤廣の6回連続講座」第3回 デザインについて:建築にまつわるデザインは前回のテーマで、今回の「デザイン」は基本的にはプロダクトデザインで、建築との対比的なお話だった。まず冒頭で「建築的なデザイン」、「デザイン的な建築」という2つの言葉を示した上で、前段では、横軸に人と物、縦軸に建築とデザインの図が示され、そこにある力が加わるとどう変化しどのような現象が表れるかという実例も交えたお話と、後段ではご自身委員長をされたグッドデザイン賞の遍歴からその時代ごとのデザインの潮流を解説。1960年に日本で開催された「世界デザイン会議」にわが国の戦後デザインと建築の結節点があり、今そこに立ち戻ることでようやく新たな建築とデザインの展開が始まるだろうという結論だった。

 

9月20日 

本日開催予定だった本部のJIA災害対策会議(WEB方式会議)は台風16号の影響で中止になり、後日開催となった。

 

9月26日 

松本で広報委員会と幹事会が開催された。

第7回広報委員会:今年度の出版参加者の第1回全体会議が行われた。すでに何回も説明しているのでここに至った経緯は省略するが、出版会社が長い間お世話になったオフィスエムさんから新建築社OGの飯田さんが主催するデザイン・コミュニケーターさんに変わった。広報は本当に業務量が多い大変な委員会だが、今日ですでに7回を数える。『信州の建築家とつくる家vol.10』の構成と参加者に依頼する内容の説明、飯田さんからの要望と質疑を行った。出版自体はここからがスタートとも言えるが、準備していただいた担当の荒井副委員長と吉田委員長と山田真一委員に感謝申し上げます。30名という当初の目標をクリアした31ないし32名の参加となりそう。

第2回幹事会:温熱セミナーの収支予測、12月の冬のセミナーの内容と旅程・参加費の報告、出版スケジュールと予算書、2月の建築祭企画書と卒業設計コンクール実施要項、交流委員会の技術交流会とボーリング大会の企画案などが全て了承された。この中で、今年度まで9回を数える松本美術館との共同企画であった建築祭は今回で終了となる。来年度からは県クラブの単独開催となり、「ひと、まち、建築」の名称を引き継ぎ、文化講演会、卒業設計コンンクール、建築展という構成になりそうだ。これからは美術館で開催する成果を求められるとのことである。

また湯田中活性化プロジェクトの経過報告がなされ、現在4件のプロジェクトが完成あるいは進行中で、当初9件を予定していたがこれで終了する可能性もあるらしい。当会としては、プロジェクト終了の通知があるまでWGは存続する方向である。

本部関連では、熊本地震の九州支部の現在の活動内容の報告と、10月に行われる大阪大会への参加を呼びかけたがこの場ではほとんど反応はなかった。交通費等の支援で予算も計上しているので、多くの皆さんの参加を再度お願いします。

支部関連では地域会活動費の予想されるこれからの方向とその使途ガイドライン、協力会員へのブルティン配布の件の説明をした。

入退会状況は現在正会員60名で、入会予定2名、他にも1〜2名入会が見込める可能性があるということで、昨年度9名減少したがほぼ2年前の水準に回復しそうである。勧誘をしていただいた正会員の皆さんにこの場を借りて御礼申し上げます。ありがたいことだと痛感しております。

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