JIA長野県クラブ「代表日誌」2017年11月

公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 長野地域会

JIA長野県クラブ「代表日誌」2017年11月

JIA長野県クラブ 山口代表より「代表日誌」2017年11月が届きました。(2017年11月30日)

 

11月7日

第3回事業委員会

打合せが長引いてしまい、16時前に事務所を出発し2時間ほどでホテル飯田屋に到着したが誰もいなかった、という訳で欠席になりました。明日の宮本設計さん訪問の打合せをしたかったのですが、後ほど西澤副代表から概要をお聞きした。

 

第3回選定議員会

今までの議論を踏まえて、正副代表・監査役にも参加要請が来た。次期代表が確定したので(27日の幹事会で報告する)今後この議員会が行うべきこととスケジュールの意見交換をした。

私もようやく半分肩の荷が下りた気分です。任期は後半年ほどになりました。精一杯務めさせていただきますので、引き続きのご支援をよろしくお願い申し上げます。

 

11月8日 

来年2月の松本市美術館の建築祭で開催予定の宮本先生の回顧展について、(株)宮本忠長建築設計事務所を訪問した。企画書を提出するとともに、今までの経緯を説明させていただいた。展示配置の図面と、今年から当会で制作することになったポスターの図案を今月中にお持ちすることでご了承いただいた。テーマの設定を行い、それに基づいた展示内容・範囲と具体的な展示方法はこれから詰めて行くことになる。宮本夏樹さんと宮本事務所のJIA会員のおかげで、話をスムーズに進めることができました。

 

11月10日

第2回支部地域サミット

地域会の代表が集まる「地域サミット」は、役員会と違い意見交換の場であることは今までにも触れてきた。今日の意見交換事項は支部財政改善について。支部はこの何年間か赤字予算を組んできたが、来年度以降収支の均衡を目指す。

当たり前だと言えばそうだが、毎年会員減少により150万円収入が減り続けている。これを±0に持って行くには毎年減収分収入を増やし、支出を減らして捻出しなければならないことになる。地域会の活動費削減も検討課題に乗ってくるであろうし、組織のスリム化など聖域無き支出削減を計るとしても限度があるであろうことは容易に想像がつく。

何年か後には会費の値上げの議論が始まる可能性もあるが、まずはいかに会員を増やすかと収益事業の模索に真剣に取り組むことになる。当会にとっても他人事ではありません。

 

報告事項はまず2018年アルカジア東京大会とJIA東京大会について。アルカジアは9月10日から14日までで、JIA大会は14・15日の予定だったが、JIA大会の方を1日早めて会員がアルカジアに参加しやすい日程に変更することになった。参加費は高すぎるという指摘で再検討だそうです。

 

続いて、JIA近未来研究特別委員会の設置について。委員の基準は年齢だけで、45〜50歳までの会員だそうです。JIAの将来を考えるということだと思いますが、どなたか手を挙げてみてはいかがでしょうか。

 

正会員資格の準用基準は、いわゆるグレーゾーンの資格要件に線引きをするということですが、あくまでもゼネコン所属の設計者は認めないそうです。

 

現在支部HPの抜本的なリニューアルを行っています。説明会を既に行い、次回は12月15日に行われるが、当会の広報委員会主催の写真勉強会にバッティングしてしまった。最後に、昨年度は開かれなかった第3回を来年3月9日に行うことになった。

 

安藤忠雄展

地域サミットの前に六本木の国立新美術館で開催中の安藤忠雄展を見学した。個人の、しかもまだ現役で活躍中の建築家展としては空前絶後の規模ではないでしょうか。美術館から安藤事務所に対して10万人の来館を目指すように言われているそうだが、来場者は圧倒的に一般の人たちが多いように見受けられた。

 

ハイライトは全住宅作品の展示と「直島プロジェクト」の巨大な模型をはじめとする数多くの模型展示、そして屋外に設けられた原寸大の「光の教会」である(費用は事務所で負担したそうです!)。

“稀代の建築家、安藤忠雄。その半世紀に及ぶ挑戦の軌跡と未来への展望に迫る。”の謳い文句が示すように、2度の大病を経ても不屈の闘志で挑み続ける姿がひしひしと伝わってくる展覧会でした。

 

11月11日

第2回地域材フィールドワーク

16名が参加して諏訪の藤森鉄平石株式会社を訪問し鉄平石の勉強会が行われた。

採掘場から加工・製品までご案内いただき鉄平石への理解が深まりました。松代の柴石同様にこれから積極的に使用して行きたい。段取りをしていただいた吉川さんと藤森鉄平石の藤森さんにこの場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。

 

11月17日

信州の木建築賞授賞式

急用でドタキャンしてしまった。受賞者は昨年に引き続いて全員当会会員でした。児野さん、宮本設計さん、川上さんおめでとうございました。心よりお祝いを申し上げます。

 

JIA災害対策会議

2010年に策定されたBCP(業務継続計画)の改訂を松下災害対策委員長が行っていて、その中間報告がされた。地震災害復興支援計画の現状と問題点を洗い出し、JIAの本来担うべき役割と活動内容の骨子を検討した上で、1月の理事会に報告できるようまとめの作業に入っている。

 

各支部の災害対策委員会の活動内容の報告の後、近畿の松本委員からJIA災害対策支援ネットワーク2018年版の整備がなかなか進まないという報告があった。これは全国の支部と地域会のトップと災害対策担当を日本の地図と共に1枚にまとめたものであるが、個人情報の問題もあり現在本部事務局で検討中のようだが、関東甲信越支部は問題が解決次第私がまとめることになった。東北の芳賀沼委員長から福島で使われた仮設住宅をネパール地震の復興支援に再利用する件の現状報告と、岡部さんからイランの地震の現状の対応について報告があった。

 

11月18日

第4回続・信州準寒冷地温熱教室

今年度全4回で行ってきた温熱教室の最終回が行われた。

環境家計簿を使ってエネルギー使用量、二酸化炭素排出量及び光熱費の算出方法と、総務省が2006年から2010年の5年間にわたって毎月調査を行った家計調査の「標準値」の考え方と使い方について、熱源を暖房、冷房などの各用途に分解した「用途分解」の考え方、そして2020年の温熱環境を考える「HEAT20」による目標UA値の算出方法を学んだ。

 

2015年度から3年間、12回にわたる辻先生の「準寒冷地の温熱教室」が終了した。大変お忙しい中を私たちの為に貴重な時間を割いて毎回自家用車でお出でいただきました。私もそうですが、この温熱教室を通して考え方が変わった会員も多かったことと思います。この問題のゴールは1つではないと思いますので、各々が自身の設計手法に会わせてこのセミナーで培った知識をもとに活用されることでしょう。このことが、やがては長野県内の住宅の質の向上に必ずや繋がることと確信します。

 

セミナー終了後、途中新しくオープンしたばかりのイオンモールを少し探索しながら、荒井さんが段取りしてくれた“ル・スーリール”でお礼を兼ねた懇親会を行い、2次会まで続く楽しい時間を過ごさせていただきました。

 

辻先生、本当にありがとうございました。これで終わりではありませんので、今後ともJIA長野県クラブとのお付き合いをよろしくお願い申し上げます。

 

11月22日

災害対策委員会

新体制になってから3回目の委員会が行われた。本部の災害対策会議でも触れたBCP改訂の途中報告が委員長から行われ、私からは懸案となっているWG会員の把握と参加意思の確認の報告を行った。8人中参加意思のある方が3名、ない方が2名、残りの方にはまだ連絡がつかない状態である。県域の方は私が引き続き確認作業を行うが、東京地域会は太田委員(千代田地域会代表)に東京連携会議において各地域会の意向を確認していただくことになった。

 

来年の東京大会において若手を対象にしたコンペを行うべく、災害を含めた支部の複数の委員会が検討をしている。テーマは災害で、都内の公園を活用した防災拠点の提案とのことである。東京都では公園は土木部の管轄だが特定の団体に業務を発注することはできないそうで、千葉か神奈川に打診して行く予定である旨の報告が委員長からあった。このような機会を全国的に設けることで若い人たちにJIAへの関心を持ってもらい、会員増強に繋げたい意向のようである。10月の宮城の視察について委員長から報告があり、私も経緯を含め自分の感想を述べさせていただいた。

 

11月25日

信濃毎日新聞松本本社構造見学会

事務所協会佐久支部主催の見学会だが、佐久の構造設計のお三方と一緒に見学させていただいた。北野建設の樋口所長は私の可愛い後輩で、33年ぶりの再会であった。彼の20代前半の幼さを残した顔は今でも覚えているが、50代半ばになった立派な姿を拝見し感慨も一入だった。

 

情報を発信するメディアとしてのオフィスビルと災害時の避難場所の役割を担う建物で、構造の特徴として厚さ900mmのマットスラブと鉛プラグ入りの積層天然ゴム型免震装置を配した地下部分と750〜850φのCFT(コンクリート充填鋼管)柱とS梁によるラーメン構造の上部で構成されている。

 

まず事務所で実施図を見ながらの解説と現場見学で約1時間半案内していただいた。伊東事務所の実施設計図も初めて見ることができ貴重な体験になりました。最上階と屋上のスラブのコンクリート打設がこれからという状態で、来春の竣工は非常にタイトなスケジュールと拝察した。そんな多忙な中、我々4人の為だけに懇切丁寧なご案内をいただき恐縮するとともに大変感謝した次第であった。

 

樋口さん、本当にありがとうございました。工期内の無事の引渡しをご祈念申し上げます。再会も非常に嬉しく思いました。

 

11月27日

第3回幹事会

打合せが長引いてしまい、少し遅れて参加した。すでに冬のセミナーの打合せは終わっていて、2月の建築祭の途中から議論に加わった。チラシは吉田さんが作成し、現在宮本事務所と中村英之氏が確認中とのことである。また宮本忠長展の会場のレイアウト案が平面と内観パースで示された。これをベースに細部を詰めて行くことになる。

 

選定議員会の川上議長から、次期代表は荒井洋さんに決定したとの報告がなされた。私同様引き続き皆様の絶大なるご支援をよろしくお願い申し上げます。また来年度から私が本部の役員に就任することになったことを経緯も含めて説明させていただいた。荒井新体制に少しでも寄与したいと考えております。

 

来年度の予算を今年中に支部に報告することになっているが、次回の幹事会は1月15日の予定なので承認無しで提出することになる。しかし例年3月に収支の状況を勘案して組み直しているので、その件の了解を求め承認された。

 

10月に宮城を訪れた「被災地交流」の報告をした。会計報告も行い、懇親会費と宿泊費を除く交通費を全額会で負担していただくことでご承認いただいた。ご配慮ありがとうございました。なお、丸山監査役が報告書をまとめているので来年4月の通常総会における会員集会で行うことが決まった。

 

報告事項では山口満さんから来年度行われる2018ARCASIA東京大会・JIA東京大会の報告があった。いつものことだが予算的に厳しい状況で、参加費がかなり高くなりそうな雲行きである。窪寺さんからは支部保存問題委員会の報告があり、轟さんから北関東甲信越学生課題設計コンクールの報告があった。支部・本部の委員はなるべくオブザーバーとして報告していただくべきで、これからも積極的にご参加をお願いします。

 

私が代表に選出されてから設けた事業検討WGと湯田中活性化WGがほぼ活動を終了した。事業検討の方は温熱教室の運営と将来を見越した収益事業を模索する目的で設置したが、私の実力不足もあり収益事業の方はさしたる成果もないまま終了した。湯田中は事業主体の担当者が変わってから何の連絡も来なくなり、初年度に2件の改修工事を手がけただけで終了した。

 

収益事業の模索は今後次期代表の荒井さんに委ねることになる。難しい課題を先送りすることになりそうですが、荒井さんよろしくお願いいたします。

 

 

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