JIA長野県クラブ「代表日誌」2022年3月

公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 長野地域会

JIA長野県クラブ「代表日誌」2022年3月

JIA長野県クラブ 新井 優 代表より「代表日誌」が届きました。(2022年3月31日)

 

最後の代表日誌になりました。サボり気味で毎月書けず大変申し訳なかったと思います。

私の任期はコロナ禍で明け暮れた二年間でしたが、他会は軒並み活動を休止している中で、早々に運営をリモート会議とし活動エネルギーを繋げることが出来ました。

有能な執行部や各委員長、全会員、そしていつも自分に足りない部分を補ってくれる事務局、全会員の理解と努力で、未熟な私でも何とかJIA長野県クラブを次の体制に引き継ぐ事が出来そうです。皆さん大変有り難うございました。

 

思い返せば私がまだ24才の頃、師匠の松下重雄さんに連れられて、今は無き赤坂プリンスに当時の皇太子ご夫妻(現上皇上皇后両陛下)をお招きし、丹下健三初代会長が高らかにJIAの発足を宣言した時から早ウン十年が過ぎました。(実は私は発足当初からの会員なのです)自分の進化の無さはさておいて、師匠松下が言われていた「JIAに育てられた・・・」をしみじみと感じるこの頃です。

 

一人の人間として、クライアントからの設計報酬のみで家族を支え、地域に貢献し、さらに独立した立場を貫いていくことは、実は地方においては容易いことでは無いと思います。それを貫いていく人が人知れず「建築家」として生きていけるとも思っています。

 

さらには、JIA長野県クラブでの活動は、仕事や納期に追われる忙しい毎日をさらに圧迫しているかも知れません。特に役員、委員長を担当する事は、一国一城の城主の集まりでもある会員の活動を裏支えしていく事によって、初めて廻りから建築家として仲間として認められる。つまり壮大な雑巾掛けを一生掛かって汗を流して人格形成を育んでいくプラットフォームなのかなと思っています。

 

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さて、3月は仕事で担当していた長野県林業大学校学生寮棟の竣工を迎え、各種書類整備や竣工検査等が続き前半は殆ど毎日木曽通いでした。

 

3/18(金)にはJIA関東甲信越支部地域サミットに出席。

「設計者選定制度のこれから」について地域会活動報告の担当となり、長野地域会の報告をしました。しかし、せっかく用意したパワポが前日OSをupdateしたおかげで画面共有出来ずで、しまらない発表になってしまいました。JIAとしては「発注者支援の取り組みについて」今後、重点的に取り組んでいく事に対して、各地域の取り組みや主要なPJの発表がありました。

 

3/27(日)は、朝9:00~18:30までみっちりとJIA北関東学生課題設計コンクール・群馬学生卒業設計コンクールが行われ、審査員としてZoom参加。計40作品を越える審査を行う事に脳みそグッタリでしたが、長野県内応募4作品全てが受賞できて良かったと思います。審査会の担当委員会の皆さんご苦労さまでした。

 

3/28(月)には上記の林大男子寮棟の完成見学会を行いました。自分の仕事なので詳細は控えますが、急な案内にもかかわらず感心のある方に来て頂き、特に昼食の空き屋カフェでの建築談議は久しぶりのJIA長野県クラブならではの楽しい時間となりました。

 

 

3月25日には予定通りに「信州の建築家とつくる家 第17集」を発刊出来ました。会員の資質や長野県の建築文化の向上を目的として出版の意義を捉えていますが、何よりこの本に掲載される事を目的として若い建築家の入会の動機付けにもなってきました。毎回ですが広報委員長や出版関係者には大変なご苦労を頂きました。有り難うございました。

 

 

3月末頃から、2021年度の総括や2022年度の幕開けに向かう幹事会や総会に向けての準備を総務委員会中心に進めています。

いよいよバトンタッチが近いと思う日々ですが、決して身軽になったとは思っていません。次期の体制に良い状態できちんとバトンタッチする事が現時点で最大のミッションと思っています。最後までお付き合いをよろしくお願いします。

 

アフターコロナでは人の心も開放され、さぞかし明るい社会が到来するものと期待していましたが、どうやらそうでは無く世界は分断と紛争できな臭くなり、国内はウッドショックに続き各種原材料不足と共に値上げラッシュが始まっています。建築界に一番のしわ寄せが来ておりコストアップが直撃。県内各地の建築家はどのように現状を捉えているのだろうか。そんな思いをどなたも持っていると思います。

 

4月22日に行う会員集会(総会前)にて、この問題について皆さんで情報交換を行い、知恵を交換して将来への勇気を抱いて頂くことを目的に本音で語り合おうと思います。

是非多くの会員の参加を期待しています。

 

 

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新建新聞 2022年3月25日 

 

 

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