JIA長野県クラブ「代表日誌」2020年 5月

公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 長野地域会

JIA長野県クラブ「代表日誌」2020年 5月

JIA長野県クラブ 新井 優 代表より「代表日誌」が届きました。(2020年 5月28日)

 

右往左往の2020年の幕開け

2019年末に次期代表に指名された後、副代表のお願いや委員長の選任やら右往左往の中で、何とか来月には第一回幹事会で年間行事予定を組める段階まで来ました。『共に学ぶ』をテーマにJIA長野県クラブを元気にして行きたいと思う。

 

コロナに見舞われた春

3月建築祭後には新型コロナ感染症拡大に対応するためWeb会議システムの構築を進め、何とか使える目処が実感できるようになりました。

当会は毎年、コンパクトな運営を心掛ける事をテーマに掲げているが、それはシステムに落とし込むことで実現出来ると考えている。

 

選択と集中の活動

月イチ(第二火曜日)を『JIAの日』に定め、活動を集中させる事でコンパクトな運営と参加率の向上を狙った。また、会運営の為の会議はWebで行い、実際の学びの活動は会員が集まって交流する。今までを思えば実験的な活動方法かと思うがPDCAサイクルの内、計画⇒実行の手前まで来た。次はこれを評価して改善していくことになると思います。

 

友の協力に救われる

(どの会も)代表は孤独に耐えなくてはならない。しかし建築家として地域は違えど、長年JIAで活動してきた同世代の友人があたたかく前向きにサポートしてくれている。加えて大きく若返った委員長の皆さんも快く引き受けて頂いて本当に感謝です。自分にリーダーシップを感じたことは全く無いが、友人達とのトロイカ体制で乗り切っていきたいと考えている。

 

アフターコロナの牽引役に

コロナ後の世界は大きく変わると言われている。地方に於いて実感は無いが働き方や生き方、住まい方は今までの東京一極集中では無く、やっと本格的な地方の時代が訪れると思っている。JIA長野県クラブは力強くポストコロナ時代のSTAYHOMEの質を高める役割を担っていく必要があると思っています。

 

長野県のプロポーザル機運の再来

2003年、当時のJIA長野県クラブ会長の松下重雄氏は長野県住宅審議会会長として、JIAも推進していた「入札によらない設計者選定」方式を田中康夫長野県知事に答申。同年5月より長野県は入札によらない設計者選定方式として、プロポーザルを基本とすることを決定しました。

その後は、ダンピング問題や知事が替わる経緯の中で、長野県の発注形態は入札方式が主体となりしばらくプロポーザル方式は封印されてきました。

また、当時の松下さんはせっかくのプロポーザル方式なのに、JIA建築家の応募が少ないと憂いていたことを強く記憶しています。

 

ところが昨年来、長野県はプロポーザル方式に大きく舵を切りはじめた事はご存知の通りです。これは歴代代表が力を入れてきた地域材への取り組みや、「信州の木建築賞」でのJIA会員の受賞。審査員として汗をかいてきた実績。委員会での行政との交流。更に社会が街の木造化を後押ししていること。様々な要因が重なって長野県のプロポーザル機運が再来しています。

この流れを再度ボツにしないようにJIA会員の参加を強くお願いすることと共に、市町村までヤラセではない確かなプロポーザル方式が広がることが期待されます。

JIA長野県クラブの皆様、プロポーザルに参加してください!!

 

長野県林業大学校男子寮プロポーザルの顛末

2020年2月に林業大学校男子寮改築工事のプロポーザルが公布されました。前記の松下さんの思いを覚えている私は、JIA代表就任前の立場として参加することを決意。その前から長野県入札参加資格の取得に向けて悪戦苦闘中でした。

この男子寮の要項は、今まで地域材に取り組んで来た自分を十分奮い立たせる内容でした。その後の一ヶ月は頭の中はいつも男子寮の構想を考える毎日。他の仕事は手に付きません。(JIAの新体制づくりしていました)

パートナーとして手を組んだ東京の山辺構造事務所と電気・機械設備設計の環境エンジニアリング。どちらも私のような地方の設計者にお付き合いしてくれるのか心配しながら依頼するも、すんなり受けていただきました。

今だから明かしますが、両事務所とも国内有名事務所との付き合いが深く、様々なプロポーザルノウハウが蓄積されています。それ以上は言いません。

 

長野県のHPを御覧ください。

https://www.pref.nagano.lg.jp/shisetsu/20200520.html

結果はまさしく「試合に負けて、勝負に勝つ」内容であったと思います。その差ごくわずか首の皮一枚と審査委員長の言われる通り、自分が審査員でも(新井案)は選ばないかもしれません。

運良く頂いたチャンスを活かすのも実力。気を引き締めて取り組みます。

 

代表日誌では無く仕事話になってしまいましたが、長野県はできるだけハードルを下げてプロポーザル方式を推進してくれています。また、私のような個人事務所でも頑張れば到達できる山頂が見えます。是非多くのJIA会員の皆様がプロポーザルに参加することで、今まで学んできたことを建築を通して社会に証明すること、公共性が高い建築の質を高める事はイコール「まちづくり」に直結する事です。

新任の第一回「代表日誌」はここまでです。

 

 

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