日本建築家協会JIA長野県クラブ

公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 長野地域会

頭の中はぐちゃぐちゃです

「頭の中はぐちゃぐちゃです」(2007.07.02) 伊藤正明(伊藤構造計画工房) 

 

建築基準法の施行にともない頭を抱える事が多くなりました。

法律の文章と格闘しているとなぜこんなに頭の中がぐちゃぐちゃになるのか、もっと解り易くしてほしいです。しかもまだ、変更がつづくのだから、当分対応におわれる日々になるのかな。

すでにご存知と思いますが構造で手続き上変わった事は、確認受付後の変更が認められない事と、提出書類が増えた事、第三者の構造判定機関が出来た事ですが、全て決定した状態での提出が求められ、設計完了後のチェックが重要になると共に、基本的に構造が伴う変更は一切出来なくなります。

 

もちろん構造が間違えていれば当然ですが、仕上げを変更したときに荷重の増減があれば構造にかかわる場合も出てきますし、設備がらみで出し直しなんて場合が無いとは言えない状況です。現場対応部分も、確認の出し直しになるケースが増えると思いますので、慎重な対応が求められる様になっています。

一方で未だに認定ソフトの位置づけが不明です。今までの認定ソフトは6月20日に全て非認定になったのですが、ソフトメーカーの中には、「非認定プログラムは高機能で、認定だと制限が多い」との趣旨の発言もあり、しかも認定ソフトを使用すると全て構造判定機関の審査となります。小規模の建築では、認定ソフトを使うメリットが何なのか、はっきりしません。

 

一方で計算事項が複雑になっているので、ソフトを使わずに計算する事は、一部の構造形式を除いて不可能な状況もあります。

 

構造の審査を厳しくする事は、変更を許さない事ではなく、中身をしっかり見て安全性を確認する事の方が大切だと思うのですが、その方向には行かない様です。とりあえず、1物件ごとに時間をかけて慎重に進むしか無いのかなと思います。

 

 

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