JIA長野県クラブ「代表日誌」 2016年11月
2016年12月02日
JIA長野県クラブ 山口代表より「代表日誌」2016年11月 が届きました。(2016年11月30日)
11月1日
事業委員会を諸事情で欠席する。2月の建築祭の内容と北関東甲信越課題設計コンクール、新潟の卒業設計コンクールの講師派遣の件もあり出席したかったのだが、来年度の講師の件で北村委員長に私の提案の検討をお願いした。それは広島を拠点に活動している三分一博志さんにお願いできないかということだ。支部などでお願いしてもなかなか受けていただけないと聞いているが、実は3年前に新潟地域会にいらっしゃっている。小川さんにも相談し、まずは私が手紙を書いて依頼してみるという方法だ。幸い委員会の賛同を得られたのでトライしてみようと思う。
11月5日
今回で最終回となった準寒冷地温熱教室第6回「環境性能を実測する、くらしのメンテナンス、総合的に考えるサスティナブルデザイン」が行われた。
前段で森林文化アカデミーで毎年行われ通算10期となる自力建設プロジェクトが紹介された。学生達が自ら設計・建設を行う木造建築の体験学習で、まずコンペを行い、6月の植生調査・測量から伐採・既存建物の解体を経て7月に着工し、翌6月の完成までの記録の紹介である。
本編では引渡し後の住宅の温熱環境を測定することにより、住まい方のアドバイスと設計へのフィードバックを行うための1次エネルギーの実測方法を学んだ。「環境家計簿」は家計調査から標準値を求めそれに地域別・都市規模別・建物種別などの補正を行って算出する。先生が関わった事例紹介の後1次エネルギープレゼンシートの解説が行われた。
後段は壁の構成要素・光の質・体感温度などによる蓄熱性の解説と遮熱シートの効果を評価した後、目標UA値算出方法の「HEAT20」の解説をもってセミナーは終了した。
その後修了証授与と懇親会が行われ散会となった。会場を手配していただいた吉田さん、3月の森林文化アカデミー訪問に始まりこの日まで綿密な計画のもとに全てを仕切っていただいた新井委員長にこの場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。
11月6日〜7日
建築士会の行事で恐縮だが、上小支部のお誘いで佐久支部長の荻原白さんと共に高野山〜九度山を訪れる旅に参加する。高野山はこれで4回目だが、訪れるたびに感動とともに新たな発見がある。早朝5時30分に上田駅を出発したが、渋滞に巻き込まれ到着は午後3時になってしまった。日没が迫っていたので慌ただしく金剛峰寺と紅葉が美しい大塔〜金堂を見学した後蓮華上院に宿泊した。ここは真田家ゆかりの寺で、関ヶ原の後家康によって蟄居させられた真田親子はまず蓮華上院に逗留する。当時の高野山は女人禁制のため九度山に居を移す事になるが、更級・埴科から上小、佐久にわたる主として東信地方との関係は今も続いている。何度か火事に見舞われたが、その都度東信地方からのお布施で再建したそうである。NHKの大河ドラマには登場しなかったが、上田サントミューゼで開催された真田展には多くの蓮華上院所有の品が展示されていた。東信以外の皆さんも高野山を訪れる際は蓮華上院に宿泊されたらいかがでしょうか。
翌日は初日に行けなかった奥の院を訪ねた。今回初めて「一の橋」から弘法大師(空海)が祀られている御廟までの1.9kmを歩いた。複数の道があるが、両側には20万もの墓や供養塔が立ち並んでいて、特に藩主や戦国大名の供養塔が多いことで知られる。
その後九度山の真田ミュージアムと真田庵の跡地である善名称院を訪ねた後帰路についた。
支部災害対策委員会:上記により欠席となったが、中山委員長には議題に対する意見をメールで送った。
- 9月2日に開催された災害対策委員会+住宅部会合同シンポジウム「建築家の職能と住民参加型の震災復興を考える」の検証について:自分なりの考えを述べ、来年は独自開催を提案した。
- 10月28日の大阪大会で開催された「フォーラム 大震災:阪神淡路・東日本から熊本まで」において九州支部の水野さんから問題提起された、2次調査の判定における1%の違いで半壊・大規模半壊になる、ならないの不合理について:嘉島町では行政チームが決めた基準が緩すぎて、少なくとも20〜30%は下駄を履かせた判定を出していたので問題にならないのではないかということと、被災自治体との基準の確認の際に意向を確認するなど相談の上決めれば良いことで、あえて問題化する必要はないのではないかと申し上げた。
- 内閣府が定めた被災度認定業務は2次調査も含め行政が行ってもよいことになっているが、本当にそれでよいのか。災害の度に、そして自治体ごとに判定基準が大きく違うようだが内閣府は基準の周知徹底を行うべきだし、行政が入るとボランティアということになり、そこも含めて再検討が必要と考える。
- 以下嘉島町の2次調査に参加しての提言
- 大規模災害に迅速に対応できる簡易な基準を設けるべき。
- 液状化の基準において沈み込みの他に地盤の不同沈下の項目を付け加えるべき。
- 現在嘉島町では3次•4次調査が行われている。3次調査は本来訴訟に発展するような事例であり、町に安易に受けるべきではないと進言すべき。
11月9日
関東甲信越支部では、役員・委員は4年が限度と決められており私の支部幹事は今年度が4年目なので来年度改選になる。支部からは今月中に次期候補を決めるように言われているので28日の幹事会で決める必要がある。そこで現役及び副会長・副代表経験者にその旨を説明し就任をお願いした。どなたも受諾されなかったが、検討をいただき28日には決めなければならない。手を挙げていただくのが一番いいが、皆さん遠慮していて決まらない場合は阿弥陀籤ででも決めざるを得ないと伝えておきました(笑)
11月10日
今度入会していただくことになった東御市の鈴木敏之さんの推薦文を書かせていただいた。長島さんの紹介で、勧誘のために7月に二人で事務所を訪問させていただいたがようやく入会の運びとなった。先日の高野山にもご一緒し宿坊の部屋も一緒だったが、大変まじめで会話からも誠実さが伝わってくる方である。私はかなりいい加減なところがあるので鈴木さんとお話ししていると襟を正すというか、まぁそういう感じの人です。冬のセミナーにお誘いしようかと思っているが、参加されたら皆さん親しく声をおかけ下さい。
11月11日
第4回支部常任幹事会:25日に開催される第2回地域サミットの議題を検討する。前回の議事録の確認に続き支部大会収支について。約400万円で11453円の赤字となった。このままでは地域会に寄付を募った事業参加費(計648000円)が常態化されるのではないか。参加人数は158名で、これ以上見込めないとすれば、協力会・企業からの協賛金くらいしか目処がないのか?これでも本部の公益事業費27万円を計上しての収支である。一寸情けない話のような気がする。これは地域サミットでは報告事項で、12月の役員会で承認を得る。
次に新春の集いについて。当初2部構成の予定であったが、2部の「変わるJIA」について六鹿会長から疑義があり「UIA2017・ARCASIA2018 2つの国際大会に向けて」に決まる。ARCASIAで受賞した中村拓志さんを迎えて会員懇談会を行う予定。
HP改訂WGからHPの大幅リニューアルについて。2017年度に予算化するが、3年で回収する目標で約200万円を計上する。役員会に委員長が参加し意見交換することに。
東京には地域会が14あるが、これとは別に正式な機関ではないが東京地域連絡会議というものがある。部外者には全く見えない存在だが、ここでの意見が支部の役員会や地域サミットでの東京の地域会の代表からの意見表明に影響を与えているような気配も感じられることがある。中には行き詰まっている地域会もあるようで、今後東京をどうするかが大きな課題となりそうである。東京には独自の事情があることは理解できるが、県域の地域会から見ると全く議論が噛み合ないことが多々ある。何年かかけて結論を出して行くことになると思われるが、東京支部というのも選択肢としてあるような気がする。
最後に25日に行われる第2回地域サミットの意見交換事項と報告事項の検討を行う。詳細は25日の報告ですることとします。
常任幹事会が予定より30分超過し、遅れて金曜の会の内藤廣さんの第4回目の連続講座に参加する。今回は『渋谷の再開発について』
首都圏はこれから未体験の超高齢化巨大都市に変わって行くと言われている。自身が深く関わっている渋谷の再開発を通じて、巨大開発の仕組みとともにその中で建築家がどのように関わって行くべきかを説明された。
11月17日
28日の幹事会に提出する来年度の収支案の検討を事務局で行う。君島会計幹事は自転車で落車しけがをされてしまい、佐藤さんと二人で行った。事前に各委員長には希望の事業内容と予算の提出をお願いしていたのでそれをベースに行った。まだ年度の半分しか経過していないのに来年度の事業計画と予算案を組むというのもおかしな話だが、3層構造の公益法人としてはこのようなスケジュールになってしまうということのようだ。今年度は本部からの公益事業の助成や温熱教室の収入及び出版会計の取り崩しによる収入増があり800万円を超えるような事業費になりそうだが、来年度は700万円弱に落ち着きそうな気配である。君島さんお大事にしてください。
その後午後2時から、県の建築住宅課の呼びかけで2月に行われた、県と建築関連5団体による災害時の「住宅相談」の協定締結に向けた第2回目の協議会が久々に事協の会議室で開催された。2年前の神城断層地震において県の要請で支援活動に参加し、翌3月に県知事から感謝状をいただいた5会である。
幹事会として建築士事務所協会が予定されていて、その事協が中心となって協定書・業務マニュアル・フローそれぞれの案が出され協議した。全体の方向性は共有できたが、県は土木系コンサルとの協定もあり内部で検討したものを今月中に提示することになった。他会も年末までに意見をまとめるよう要請があった。締結は年度末だと思われるので、幹事会での報告を経てとりあえず自分で考えてみようと思う。枠組みは応急危険度判定後の被災者の不安を取り除くための簡易な相談業務に限定し、ボランティアで行うというものである。見積や業者紹介は含まず、被災度認定の前段までの相談業務を想定している。
今日は懐かしい先輩お二人にお会いした。建築士会館の駐車場で高校・大学・会社と先輩だったTさんと、県との協議会においてやはり会社の先輩だった、現在信州建築構造協会会長の田村茂智さんのお二人だ。
Tさんは建築士会館の耐震補強工事の担当者との打合せ中であった。約10年ぶりの再開となった。田村さんとは30年ぶりである。私が会社を退社した後連絡があり、自宅の新築にあたって実家の山林の木を使えないかという相談を受け、田村さんのご実家でお会いして以来だ。こんなこともあるんだなぁ . . . 。
11月24日
未明からの雪で季節外れの大雪となった。南佐久の私の実家から帰って来た妻の話だとここ、佐久市の北部が一番降っているそうだ。軽井沢にかけての地域で25cmは積もったのではないか。おかげで朝6時半から始めた雪かきは断続的に午後2時までかかってしまい(我が家は2面接道の上、ご近所は全く期待できないので全て自分でやらなければならない境遇である)、19日以降痛みがあった右ひざが悪化してしまった。年は取りたくないですね . . . 。
スタッドレスタイヤはこの冬に交換することになっていたので、数日前お世話になっているショップに確認すると、まだ注文していなかったようで身動きが取れなくなってしまった。NEXCOに確認したところ、チェーン規制は明日も続く可能性が高いということなので、北茨城で行われる明日の地域サミットは急遽キャンセルさせていただいた。福島県沖で発生した地震で開催が危ぶまれた矢先に、今度は雪で参加を見送ることになってしまった。
11月25日
不参加となった地域サミットの資料が送られてきた。重要と思われるものは28日の幹事会に資料として添付する予定だが、ここで以下の2点にふれてみたい。
まずは支部財政黒字化に向けて約300万円の収支改善試案が総務委員会から出てきた。A案は委員会活動費を35%削減する案。B案は地域会活動費で30%削減。これだと当会の場合20万円以上減って約50万円の支給となる。C案はAとBの複合案である。その他にも収益事業や助成金の活用の重要性が謳われていて、委員会、地域会の活動は活発化させたいとの支部長の意向も示されているが、これは来年までの3年間の赤字に対する改善案であり、会費の値上げは視野にないようなので、黒字を常態化させるためには組織の再編も含めた抜本的な改革が必要なのではないだろうか。これは11日の日誌でもふれた東京支部にも繋がる話だと思うが、東京が独立すればしたで残された県域の地域会は更に資金難に陥ることが予想される。当会にも無縁ではいられない対応が非常に困難な問題だと思う。
本部財務委員会所轄の今年度前半の公益事業の助成「JIA事業活動助成」の採用が決まった。各支部・地域会共にこの助成制度の認知が拡がったようで、前回(当会が温熱教室で30万円助成いただいた)に較べ採用のハードルはかなり上がったように思う。当会は来年度は見送り2018年度の採用を目指したいと考えていたが、どうも綿密な作戦が必要なようである。
1日の日誌でふれた三分一博志さんへのお願い文を書く。調べると、広島から松本までは新幹線と中央線を乗り継いで7時間半かかるようだ。実質的には4日間の拘束になると思われるので、文章を考えながらこれはいくらなんでも難しいだろうなと思った。
11月28日
第3回幹事会:今回は松本勤労者福祉センターで行われた。私の方からは主として2つの議題を説明し承認をいただいた。
まず1つ目は来年度の収支予算案について。17日の日誌でふれたように来年度は¥6,909,207.という額で提案させていただいた。それぞれの事業について説明し、大枠で了承を得た。セミナーと出版は来年度も行う。懸案だった海外視察研修は来年度は見送ることになったが、個人的には残念に思う。
もう1つは支部役員選出について。これについては9日の日誌でふれた。西澤副代表にお願いすることになったが、事務所の了承を得る必要があるということで、最終的には明日(29日)に決定する。またかねてより林さんから要望が出ていた支部総務委員について。今年度で1期2年が終わるがご本人の強い希望もあり退任していただく。WEB会議に移行したこともあり、来年度は当会からの委員選出は辞退し、他の東京に近い地域会から選出していただくよう委員会に要請することになった。
11月29日
西澤副代表から昨日の幹事会の依頼に対するご返事があった。まず支部役員は受けていただくことになった。事務所にも負担をおかけすることになるが、幸いにもご承認いただいた。ありがとうございました。もう1つの来年度の通常総会の会員集会での宮本先生の追悼の企画に対しては事務所として希望があるようで、再度検討の必要がありそうである。会員集会は他のテーマにした方がいいかもしれない。
11月30日
第2回正会員・法人協力会員 交流イベントが開催される。
3部構成で、第1部は今年度の夏と冬のセミナーで設定できなかった「技術交流会」を行う。日建エンジニアリング、LIXIL、東芝エレベーター、ランバーテック各社に様々な新しい情報をご提供いただいた。その後ボーリング大会に移行した。小難しいことばかり言っていないで誰もが楽しめる行事が欲しい、との加賀会長の音頭で始まり2回目の開催となった。皆さんが無邪気にゲームに興じている様子を見ていて、確かに仰る通りだと痛感した。優勝は岸本さん、準優勝は丸山(和)さんだった。昨年に続き真の優勝者である野口さんは、懇親会に参加されなかったので失格となった。
野口さん、来年はぜひ懇親会にもご参加下さい。もっとも懇親会では、老人が多いのでマレットゴルフはどうかという意見もでていましたが . . . 。
準備と運営をしていただいた長島委員長と丸山副会長、ご苦労様でした。和気あいあいとした雰囲気で楽しい1日を過ごさせていただきました。