JIA長野県クラブ「代表日誌」2020年 2月
2020年03月10日
JIA長野県クラブ 荒井代表より「代表日誌」2月が届きました。(2020年 2月29日)
2月3日
『第1回長野県林業大学校男子寮改築事業設計プロポーザル審査委員会』
木曽の林業大学校にて実施要領について打ち合わせをしました。
審査委員長は京都大学の五十田先生、建築団体からはJIAの荒井、県木連から田中理事、木曽町の正澤副町長、長野県林務部の山崎さん、長野県建設部の久保田さんが審査委員を務めます。
木造での男子寮建設ということで、プロポーザル参加資格に関して住宅設計の多いJIA長野県クラブの会員でも参加しやすいよう柔軟に対応していただきました。
県産材を使った木造の寮の設計は大変魅力的です。多数の皆さんの参加を強く希望します。
2月5日
『事業委員会』
建築祭前 最後の委員会が開催されました。
今年は新しく模型展示台の脚を作りましたので、今後美術館で開催するときは他の部屋の備品に頼ることなく、市民ギャラリーA・Bで開催できます。最終の人員配置を確認して終了しました。
2月17・18日
『出版個人面談』
「信州の建築家とつくる家」vol.15 の個人ページ参加者の個人面談が、二日間に渡り松本と長野で開催されました。
参加全作品を拝見しましたが、力作ぞろいでしかも各自の信州らしさがにじみ出た作品ばかりで、とても良い本になりそうです。
今回は参加者が25名と少なく、従来の編集方法では個人負担額が増えてしまうことが分かりました。そのため今回は予め会員から作品を募集し、集まった事例を見て信州の住宅の動向を読み解き特集とすることにしました。その結果『地域と交わる』というテーマが導き出されました。昨年までの特集とは違い、特集として選ばれた住宅実例が巻頭から並ぶと言う構成になりました。
このように信州の建築の「今」を切り取るテーマを設定し、信州の建築文化をアーカイブしていく出版事業は、公益性という観点からも大変重要な活動だと思います。
2月21・22・23日
『第14回 建築祭』
21日は松本市美術館に集合し卒業建築展の準備をしました。
大学生が11名、専門学校生が12名、高校生が20名の参加です。あいかわらず大学生の出だしが悪く、担当の山田さんと野口さんは居残りでした。
22日は第28回文化講演会でした。
講師は福島加津也氏、演題は「工学と美学」
福島さんの作品をそのまま言葉にしたような演題です。明快な構造しかも他人が試みていない構造を採用し、それを美しい作品へと昇華させていく過程をお聞きでき大変勉強になりました。
23日は第29回長野県学生卒業設計コンクールです。
福島さんが審査員長を務め、松本市美術館の小川館長、JIA関東甲信越支部の渡邊副支部長、群馬地域会の小林代表幹事を審査員にお迎えして、私荒井も加わり審査をしました。
9:00から17:30までの長丁場で、学生の意図を読み解こうと審査員は必死ですから大変疲れます。
審査結果
高校の部:【金賞】木村海心(長野工業高校)、【銀賞】塩澤望夢(飯田OIDE長姫高校)、【銅賞】市岡尊(飯田OIDE長姫高校)、【奨励賞】小林美友(飯田OIDE長姫高校)
専門学校の部:【金賞】宮崎香那、【銀賞】金田明璃、【銅賞】斉藤恵太郎、【奨励賞】小林史弥
大学の部:【金賞】糸岡未来、【銀賞】竹内正彦、【銅賞】杉山翔太、【奨励賞】齋藤香奈、【奨励賞】ダワーゾリグ・ノムーン
高校生は学校間の卒業制作への考え方の差が出ていて、審査に悩まされましたが金賞は高校生らしからぬ出来栄えの作品で、高得点での受賞です。
専門学校生は金と銀の差が僅差で、プレゼンに出席できたか否かで決まった感じがします。
大学生は金、銀ともに古い建物の再生利用案でしたが、建物の立地が金の作品の方が有利に働いていたように感じられます。金から銅まで本当に僅差でした。
新型コロナウイルスの感染が大きく広がる前に開催できラッキーでした。
2月27日
『台風19号被災者支援のための総合相談』
2月21日が長野市豊野、27日が千曲市、3月5日が長野市篠ノ井で相談会が開催されました。JIAからは清水さんと竹内さん、そして私が27日に参加しました。
27日の千曲会場では予約者が4組で当日多数が来場するものと見込まれており、建築以外の他団体の方たちも多数参加して下さいました。残念ながら当日の飛び込みは午前の私の担当ではなく、一組の予約相談のみという結果です。
住宅再建に関しては人により温度差が激しく、既に再建が終了した人が居る一方で全く手付かずの状態で放置している場合もあります。相談にやってくる気力すらまだ湧かないというかたも多いのではないかと推測されます。
コーヒーブレイク18
『新型コロナウイルス』
このところ音楽会が軒並み中止になっています。このコーナーでは出来るだけ趣味の音楽に関して書いていこうと考えていましたが、音楽会が開催されないので最新の動向を書くことが出来ません。
原因は新型コロナウイルス感染が日本中に広がっているためです。
経緯を簡単に振り返ると、中国武漢市で2019年12月に原因不明の肺炎が流行しはじめたのが始まりです。
その後湖北省全域に広がり、中国政府の隠蔽体質があだとなり、瞬く間に中国全土から全世界にまで広がってしまいました。中国の春節休暇が重なり、中国人観光客が世界に出てしまったのも一因です。日本では1月16日に一人目の感染者が確認されて以降どんどん増加し、すでに感染者数は500人を超え、全世界では10万人を超えてしまいました。
政府はようやく中国と韓国からの入国者全員(日本人を含む)を2週間の経過観察のため隔離することを決めましたが、すでに国内で感染が広まっていることを考えると時既に遅しといえます。
小中学校が休校になり、松本では松本城、旧開智学校、美術館、図書館などほとんどの公共施設が閉館となっています。
世界経済に及ぼす影響は計り知れないものが在り、株価の暴落はリーマンショックを凌ぐとさえ言われています。また国内の観光業の打撃は大きくすべての観光関係業種に影響が出ており深刻さを増しつつあります。
先が見えない恐怖は大きく、マスクが買い占められ店頭から姿を消して久しくなります。しかもトイレットペーパーやティッシュまで買い占められ、石油ショックの時と同じ風景に呆れてしまいました。
この日誌を後日読み、「そう言えばそんな事もあったよなあ」と笑い飛ばしていられれば良いのですが・・・・
薬の開発が進み早くインフルエンザと同じ扱いになって欲しいものです。