第2回『地域材を考える』開催しました

公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 長野地域会

第2回『地域材を考える』開催しました

JIA長野県クラブ 正会員建築家 野口大介さん(野口大介建築設計室)から、第2回『地域材を考える』の報告です。

 

JIA長野県クラブ 信州の地域材委員会による講座 第2回『地域材を考える』-長野県産木材を川上から川下まで連続講話で学ぶ-開催しました。(2020年11月10日)

正会員建築家18名、法人協力会員4名、事務局の23名が参加しました。

 

久しぶりにJIA長野県クラブの活動に参加させて頂きました。

先ずは、講師(株)山川草木の香山由人氏。

『地質と気候を手掛かりに、長野県の森林特性と林業の歴史を考える』というタイトルで講話頂きました。

 

日本の地質(立地、地形、土壌)と気候はとても森林に向いている。森林と人との関わりは林業から見る事が出来、それは森林の利用の歴史でもある。森林は主に燃料、建築材料として使われてきた。長野県では幕末から昭和30年代にかけて過酷な状況でも育つ唐松を杉桧の育たない場所に造林してきた。唐松は杉桧にない優れた性質を持っているが、丸太でしか林業(販売)をしていなかった。その為に唐松は見向きもされなくなり、間伐等で切っても植林されなくなった。しかし最近では樹齢80年生以上の唐松(資源量は長野県が全国1位)の高級板材、構造材や構造用合板の表面材として需要が再び盛り返している。今後さらに需要が伸び、唐松が切らるだけでなく植林される事で林業が続いていくこと期待します。

 

次の講師は、長野県林業総合センター吉田孝久氏。

『大径材を使うメリット』というタイトルで講話頂きました。

大径材から製材した「芯去り材」はねじれが少なく、強度が高い。大径材は「成熟材」であり、「未成熟材」との区分けは樹種によって樹齢又は直径で分ける。例えば唐松は樹齢、杉は直径で分ける。以上の事をデーター、実験等の資料を示しながら『大径材を使うメリット』についてご説明頂きました。

 

その後、法人協力会員の(株)テオリアランバーテックの丸山淳治さんから、信州産カラマツやアカマツを化学薬剤を一切持ちいらずに熱処理技術で耐久性・寸法安定性を高めた次世代の高耐久木材の紹介があり、とても興味深い木質材料でした。間もなく商品として販売予定のようですが、価格は検討中とのこと。利用しやすくなることを期待しています。

 

知っている様で知らない話。建築空間の構造や仕上げを当然の様に木材を使っているが、生産の現場である森林、樹種による特性等々もっと知りたいと思える連続講話2回目でした。

 

 

 

 

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