「長野県林業大学校 構造見学会」開催しました

公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 長野地域会

「長野県林業大学校 構造見学会」開催しました

JIA長野県クラブ 正会員建築家 荒井 洋さん(HAL設計室)より、「長野県林業大学校 構造見学会」の報告です。正会員建築家13名、法人協力会員2名、所員4名、事務局の20名が参加しました。(2021年9月14日)

 

 

木曽町に建設中の長野県林業大学校男子寮の構造見学会がJIA長野県クラブ主催で行われました。

 

コロナ禍では有るものの長野県独自の警戒レベルが5から4に引き下げられたこと、建て方が終了したばかりで壁に囲われていない換気の良い状況であることを踏まえ、人数を20人に限定して開催することとなりました。参加したのは定員いっぱいの20人。実際の建物に直に触れたいという建築家の渇望の現れだと思われます。

 

林業大学は今どき珍しい全寮制の学校です。山作業は強い絆に結ばれた共同作業が不可欠です。そのために共同生活を通じて絆を強め、卒業後も続く人間関係を形成しようというものです。同校の男子寮はプロポーザルにより、JIA長野県クラブ現代表の新井優さんが設計者に選ばれ㈱アスピアが施工しています。
 

H型の平面形で1階南側に寮室と浴室、中央のくびれ部分に食堂ホール、北側に厨房と管理部門。2階北側に寮室という平面計画です。寮室が上下に重なっていないことで上下間の音の問題を解決した大変優れたプランです。

 

構造的な大きな特徴は長野県産木材の一般流通材を使用し、プレカットに対応し金物も普通の住宅に使用するものを使っているということです。柱は木曽桧、梁桁は木曽唐松を木曽林業組合の全面的な協力を得て使用しています。構造用合板や副資材もほとんどが県産材を使っています。

 

このような大規模な木造建築も普通に流通している定尺材料を利用して建設できることを示したエポック的建築です。アクロバティックな構造や奇をてらった平面計画ではありませんが、ど真ん中に速球を投げ込むような爽快感のある建物でした。

 

長いスパンも方杖と木材の組み合わせて4mの梁材で作られています。

 

木曽の木材を熱く語る勝野木材の社長

 

最後に記念撮影です。

 

 

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