JIA長野県クラブ「代表日誌」2018年11月

公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 長野地域会

JIA長野県クラブ「代表日誌」2018年11月

JIA長野県クラブ 荒井代表より「代表日誌」11月が届きました。(2018年11月30日)

 

11月8日
まちづくり委員会
建築士会松筑支部のまちづくり委員会に出席しました。今後の活動計画の話し合いが行われましたが、一番大きなテーマは来年1月27日に行われる景観シンポジウムの内容です。このシンポは松本市の景観フォーラムと同時に開催され、松本市都市景観賞の表彰式と講演会、私たちのシンポという組み合わせです。

 

松本市景観賞の最優秀賞にJIA長野県クラブの会員が中心になって行なっている《建築家と巡る城下町みずのタイムトラベル》の活動が選ばれました。建築物以外が最優秀賞に選ばれたのは初めての事で、景観啓蒙活動の重要性が認知され始めた表れだと思います。シンポでは景観賞の審査員長の石井先生をコーディネーターにお迎えして松本市の景観全般についてパネルディスカッションを行います。

 

11月14日
JIA長野県クラブ幹事会
私が代表を引き受けて半年が経過しました。委員長が刷新されたこと。委員会活動が新しくなったことなど、様々な理由から、行事の開催時期が重なるという事象が発生して、会員が参加しづらい結果となってしまい反省しています。来期に向かって改善していく所存です。

 

11月21日
JIA長野県クラブ まちづくり委員会『地域材を語ろう』
第2回目となる今回は、長野県林務部の久保田さんに海外の木材事情を報告してもらいました。大国ではないオーストリアの現状は日本でも大変参考になることが多く勉強になりました。

その他、板倉作りの仮設住宅の話。県産材を使った木製建具の話など、多様な内容となりました。まちづくり委員会の皆さんありがとうございます。

少し残念だったのは第一回目の内容との連動性に乏しかったことです。もう少し、県産材の利用に関して、様々な立場の方の意見を聞ける機会もあって良いのではないでしょうか。

 

 

 

コーヒーブレイク 3

『つまみ食い』

先月クラシックにはまったきっかけを書きましたが、小学5,6年生が「運命」と「新世界」をまともに聴けるわけがありません。「運命」は皆さんご存知の冒頭の激しい部分、「新世界」は第二楽章の美しいメロディーぐらいしか耳に入りません。好きなところばかり何度も聴くという、つまみ食いをしていました。クラシック音楽は長い曲が多く、全部聴かされると、たとえ好きな部分があっても退屈の記憶の方が強く残り結局嫌いになってしまうのです。

その点つまみ食い聴法なら好きな部分しか聴かないのですから嫌いになるはずがありません。レコードというのはCDと違って聴く前にレコードを拭き、そうっと針を下ろすという儀式があります。これが結構面倒くさくてつい最後まで聴いてしまうので、片面は全部聴くことになります。それを繰り返しているうちに段々好きな部分が変わってきて結局全曲聴けるようになります。クラシックを聴く極意はつまみ食いですね。

ちなみに次にはまったのがホルストの「惑星」です。始まりは「木星」そうです平原綾香で有名になったあのジュピターです。惑星は美しいメロディーの宝庫ですから、好みもどんどん広がりあっという間に全曲制覇できました。第一曲の火星は特に凄い曲で、弦楽器が弓をひっくり返して弦をたたく出だしの音は、迫り来る不安が良く表現されています。この音の違いが分かるようになった時、なんだか一ランク上に上がったような気持ちになれるのです。もう一つ、主旋律以外の楽器の扱いが気になり始め、ハーモニーの魅力も含めますますはまっていく中学生でした。

 

 

11月27日

地域サミット

東京でJIA関東甲信越支部の委員長・地域サミット合同会議が開催されました。松本の我が家からは順調に行っても会場の建築家会館まで片道3時間半かかります。往復7時間使って結果は一言もしゃべっていません。話は東京地域会と委員会の話題に集中してしまい県域の地域会は毎回蚊帳の外状態です。隣席の山梨地域会の代表と「我々は何のためにここに居るのかね」という会話のみで会議は終了しました。

 

東京には本部も支部もありますので会員サービスという意味ではCPDプログラムも沢山ありますから十分だと思います。ところが県域の地域会は東京まで距離がありますから会員サービスも自前で考えなければならず、予算も必要となります。私個人の考えですが東京都内になぜ地域会が必要なのか全く理解できません。その予算400万円を県域地域会に回してもらえたらどれほど幸せなことでしょう。県域地域会の話し合いをさせて欲しいと申し出ていますが、時間の関係でしょうか実現しません。

 

電車の関係で1時間速く東京に着いてしまいます。新宿御苑の紅葉でも見ようと寄ってみました。初の新宿御苑です。

 

 

残念ながら紅葉は始まったばかりでモミジもまだ青い部分が多い状態でした。さすが都会の公園、背景が超高層ビルです。外国人客が大変多く入場料が200円というのが効いているのかも知れません。あまりにも大きくて1時間ではまったく足りません。残りは次回に回します。

 

11月28日

出版会議

来春出版される『信州の建築家とつくる家』vol.14の編集者との個人面談を行いました。松本会場は前日だったのですが東京に行かなければならず長野会場に来ました。個人ページは3分で終わり残りは出版会議。今回は個人ページのクオリティーが上がり良い本になりそうです。建築の力で景観を形成し地域の文化度を上げるためには、まず我々が良い建築を作り市民に知らしめる必要があります。市民が良い建築家を選ぶ機会を増やすと言う意味でも出版事業は大変重要だと考えています。

 

11月29日

安曇野材利用促進プロジェクト会議

地域産材利用に関して一歩リードしているのが安曇野市です。JIAからも多くの会員がプロジェクトに参加していますが、特に尾日向さんの力は大きく市役所との良好な信頼関係が築かれています。

 

地域が小さくなればなるほど問題になるのは材の生産量です。県産材には全て言える事ですが、材の供給が間に合わないため施工会社から敬遠されていると言うのが現実です。安曇野でもストックヤードが必要ではないかと言う意見が出ています。当然必要なことではありますが、もう一つ考えられるのが水平連係で材を調達するということです。私の場合は安曇野の林友ハウス工業さんを中心にしてまず安曇野産材を調達し、足りない材料たとえば柱は木曽の勝野木材さんから、梁は長和町の小林木材さんから、葉柄材は木島平の瑞穂木材さんから調達してもらいました。地域ごとに得意な材料がありますから入手できるところから入手すると言う単純な発想が、気軽に県産材を利用できる第一歩ではないかと考えています。

 

11月30日

JIA長野県クラブ冬のセミナー

今年は初めての会場『シェーンガルテンおみ』に宿泊しました。施設のご好意で会議室も宴会場も宿泊室も貸しきり状態でゆったりと使わせていただきました。施設も綺麗ですし、これきりにしてしまうのはもったいない会場だと思います。

今回は行事を詰め込みすぎないようしたためか、技術交流会も各社ゆっくりと発表できたのではないでしょうか。

 

恒例のウォッチングは麻績神明宮。

教育委員会から2名、地元で神明宮の管理をしている方1名の計3名で案内して下さいました。国の重要文化財が5棟も建ち、規模では国宝の仁科神明宮をしのいでいます。事前の知識が全く無かったこともあり、驚かされました。ご好意で拝殿の中に入れていただき、調度品の説明も聞くことが出来ました。地元の案内人の思い出話がすごく、中学生の頃(ということはたぶん60年から70年前)隣接する杉の大木のうろに中学生が入って、中に奉納してあったお札に火をつけたところ炎が木を貫いて噴出したとのこと。幸い本殿には被害はなくしかも内部を燃やされた杉も平成24年に切られるまで生きていたとのことです。神木は強い。

 

 

杉の切り株。内部が焦げています。

 

 

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