2024年『夏のセミナー』第2部 技術交流会 開催しました
2024年08月09日
JIA長野県クラブ 正会員建築家 嶋本耕三さんより 夏のセミナー 第2部 技術交流会 「照明計画の勘所」の報告です。
参加者:正会員22名、協力会員11名、所員、一般3名 計36名(2024.8.2)
第2部の前半は大光電機 坂田様、内田様から「間接照明」「ダウンライト」「無線制御システムsenmu」についてプレゼンテーションして頂きました。
「間接照明」には「場」と「印象」を決めるパワーがある事を写真も交えて分かり易くご紹介頂きました。
また、間接照明の設計時に注意すべき、建築要素の寸法形状、素材の反射、照明器具の配置など、失敗事例も合わせてご説明頂いたことで、普段なんとなく決めていた部分がクリアになったのではないでしょうか。
続いて「ダウンライト」の説明では、器具自体の小型化や、集中配灯などの工夫により、ローコストでも空間を豊かに魅せる可能性を感じました。最後の「無線制御システムsenmu」は対応する灯具さえ配置しておけば、回路分け、調光調色などが後から行えるという便利なシステムで、設計段階で利用シーンを想定しきれないような場合や、改修案件の提案として良いのではないでしょうか。
後半はまず、ヤマショー 佐藤様から、薪ストーブの販売からルイスポールセンを扱い始めたキッカケについて、「薪の炎のゆらめきを活かす照明」を求めてルイスポールセンにたどり着いた想いを語って頂きました。
ルイスポールセンジャパン 中村様からは、およそ100年前の創業から続く自社の理念や、デザイナーのポール・ヘニングセンの残した数々の名言をご紹介頂きました。
中でも一番印象的だった言葉は「一番悪い照明は まぶしい光である」です。
ランプ光源に対して対数螺旋曲線により反射光が精緻に調整された3シェードの名作「PH5」の創作秘話はデザインの真髄を見たような気がしました。
また、タスク・アンビエント照明を実践するための7カ条について教えて頂きました。
- 配光を考えて選ぶ
- 全般照明と部分照明を分けて考える
- 食卓のペンダントは低く吊るす(テーブルから60cmぐらいがベスト)
- スポットライトは人に向けない (顔に変な影ができてしまうから)
- 過度な間接照明はしない
- 2つの光が空間をつくる (手元と視線の先に灯りをおく)
- 複数のランプを使って機能的に(人のそばに灯りをおく)
前後半を通して、照明が如何に空間を豊かにするのか、豊かな光の空間をつくるにはどうすれば良いのか、照明計画の勘所や感性が磨かれた、学び多き技術交流会となりました。