「宮本忠長展  五十二年の軌跡」

公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 長野地域会

「宮本忠長展 五十二年の軌跡」

少し前の事になりますが、会員の竹内祐一さんから「宮本忠長展 五十二年の軌跡」の感想をいただきました。(2017年10月28日)

 

宮本先生には直接お会いしたことがなく、実際に訪ねた建築や建築雑誌に掲載された写真などの作品を通してしか、建築家・宮本忠長をうかがい知ることが出来なかった自分にとっては、長野に根を下ろして52年の軌跡として展示された膨大なスケッチ等は、とても興味を惹かれました。常に手を動かして日々建築に向き合っていらしたことが感じられ、改めて敬服致しました。

 

内藤廣氏の基調講演は演題の「地の塩」、「空中戦 地上戦」、「室生犀星」、「春宵十話」、「悠久なるものの影」、「戯作三昧」をキーワードに、宮本先生への思いとご自身の建築観を重ね合わせながら語られ、示唆に富んだお話は非常に興味深く、地域に根差して活動する者にとっては励まされるものでした。

 

「宮本忠長と小布施」と題したパネルディスカッションでは、パネリストの小布施堂代表取締役の市村氏の建築関係者とは違った観点でのお話も興味深く、「小布施のまちづくりは観光目的ではなく、良好な住環境を整えることが始まりであり、優先である。」と仰ったことは、なるほどと合点がいきました。

 

この展覧会の数日前、大町で最も歴史ある老舗酒造の町家を、地元の建築士達と調査をさせていただきました。思いがけないことに、以前、宮本先生がこの町家を実測して画いた立面図が残っており、拝見させていただきました。記された日付を見ると、35年前。自分がこの仕事をしているとは夢にも思っていなかった15歳の時のものでした。何かのめぐり合わせでしょうか。故郷に帰る時に、師である佐藤武夫から「君は地の塩になれ」と言われたという。地の塩とは何でしょう?問いかけられているのかもしれません。

 

 

 

 

 

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