JIA長野県クラブ「代表日誌」2019年 8月
2019年09月09日
JIA長野県クラブ 荒井代表より「代表日誌」2019年8月が届きました。(2019年 8月31日)
8月4日
『信州の多様な住まい方について』
県立長野図書館において長野県建設部建築住宅課主催のワークショップが開催されました。
長野市での開催であるにも関わらず 中信地区の参加者が圧倒的に多く、地域による関心度の高さの違いと言うか、社会貢献の意識の高さの違いが出ているように感じました。
信州大学の武者先生が進行役を務め 4グループに分かれて意見交換が行われましたが、直接住まい方について訊ねるのではなく、文化や自然など意見を出しやすい項目からはじめ、最後に住まい方にたどり着くという手法が とても良かったと思います。
8月21日
『幹事会』
夏のセミナーの報告、役員改正、JIA建築家大会、冬のセミナー、建築祭について話し合われました。
建築祭の話が出始める時期になりました。講演会講師は福島さんから内諾をいただきましたので、本年度は福島加津也さんで決定です。
冬のセミナーの前に行われる会員集会では、高橋重徳 相談役が調停員の経験を生かして、法律面のお話をしてくれることになりました。今後、質問を募集しますので事務局までお願いします。
今年の建築家大会は青森県の弘前です。夏のセミナーで旅行を行ってしまいましたので、今回は個人参加とします。
いよいよ役員改正の時期になります。ようやくというのが正直な気持ちです。代表職はあと8ヶ月続きますが、次期代表が決まれば肩の荷が半分ぐらい軽くなります。
8月27日
『ものづくりの楽しさを伝える雑学講座』
恒例の上田情報ビジネス専門学校への出前講座です。
今年は安藤さんの案内で、別所温泉の古民家を探訪しました。別所温泉は小さな町ですが古い家屋が残り風情のある街並みが続きます。
始めに訪ねたのは蚕室づくりの古民家。地下室まで数えると3階建てです。驚いたことに半地下部分にかまどがあり熱せられた空気を木製のダクトを使って各階に配っていること。
2階には小屋裏に抜ける水平に動く可動天井があることです。100年前にこんな設備があるなんて、人間の知恵は偉大です。
2軒目に訪れたのはゲストハウス
店舗を併用したゲストハウスです。宿泊も高級志向と安価志向に二分されつつあるように感じます。古民家を再活用できるのはとても良いことと思うのですが、僕個人は法律面を考えるとなかなか踏み込めない分野でもあります。次に訪れるシェアハウスを含め、セルフビルド向きの建築だと思います。
3軒目はシェアハウスです。
とても暑い日でしたが、学生たちもとても熱心に最後まで付き合ってくれました。
皆さんご苦労様でした。
コーヒーブレイク12
『エディプス王』
サイトウ・キネン・フェスティバルの特徴はオペラの公演があることです。
第一回目の記念すべき公演に選ばれたのはストラヴィンスキー作曲のエディプス王でした。オペラ初心者の僕は全く知らないオペラでしたが、苦労して徹夜で並んだので試しに一番安いC席を買ってみました。今ではとても考えられない4000円です。
さて肝心の演奏は?これが度肝を抜かれるものすごい演奏でした。席が2階の後ろから2番目、何も知らずに手に入れたこの席が大正解。当然ディテールは全く見えませんが舞台装置が独特で水の上にスノコ状の不安定な舞台が作られており、スノコの間から水面が見えるため、まるで底なし沼の上に築かれた虚構の大地という感じ。
語りの白石加代子がビリビリと幕を破り物語が始まります。その不思議な世界に完全に打ちのめされ、演技が始まったとたん腰が浮かび最後まであっという間に終わってしまいました。ジェシー・ノーマンの迫力は半端なく、東京オペラ・シンガーズと晋友会のコーラスが最高。後にも先にもこれほどのオペラに出会ったことがありません。
こんなことがあるのでクラシックファンを辞められないのです。
ちなみにこのオペラはDVDとして販売されています。生の公演の様子ではなく、新たに撮影されたものでクレーンカメラを駆使して臨場感ある映像作品となっています。しかし僕はこの撮り方はあまり好きではありません。この作品は全体像をしっかりと見せたほうが世界観が良く分かると思います。オーソドックスな撮影方の映像が残っていればぜひ見たいものです。