吉田鉄郎の近代 ― モダニズムと伝統の架け橋
2019年11月21日
文化庁国立近現代建築資料館から 吉田鉄郎の近代 ― モダニズムと伝統の架け橋 ― 開催のお知らせです。
吉田鉄郎(1894-1956)は東京中央郵便局(1931)や大阪中央郵便局(1939)などの日本近代建築の名作を残した「逓信省の建築家」として知られていますが、彼が活躍した1920年代から1950年代初頭は、日本に限らず世界中で、いかに「近代」を空間的に、建築的に表現するかが問われた時代でした。そこで重要だったのは、ヨーロッパに端を発するモダニズムを模倣するのでも、それを土着の伝統と折衷するのでもなく、モダニズムと伝統の間に橋を架けわたすことでした。この「架け橋」によってモダニズムが定着し、同時に伝統が新たに再生してきます。
本展では、吉田の住宅作品に鮮明に現れるモダニズムと伝統の相克と、この両者への「架け橋」を追求する彼独自の思想と手法を明らかにしてみようと努めています。そして、逓信省営繕課の一員というようりもひとりの建築家としての吉田の思想と手法の展開をたどるために、住宅と逓信省関係の建築の他にコンペ作品や記念碑なども着目し、彼がドイツ語で刊行した『日本の住宅』(1935)などの著作やブルーノ・タウトらの外国人建築家との交流にも光を当てています。
■期間:2019年11月1日(金)~2020年2月11日(祝・火)10:00~16:30
※休館日 12月29日(日)~1月3日(金)
■会場:文化庁国立近現代建築資料館(東京都文京区湯島4-6-15 湯島地方合同庁舎内)
□関連イベント:会期中にギャラリートークを開催します。