宙への想い

公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 長野地域会

宙への想い

「宙への想い」(2014.08.26) 加賀 修(株式会社 日建エンジニアリング)

 

 

子供のころから宇宙への憧れがあり、将来は天文の道へ進むと決めていたものです。

ところが途中で挫折して、いまや地盤調査の道を進んでいます。正に天と地の開き・・・。

 

かつて、親に天体望遠鏡を買ってもらい、月面のスケッチ、木星の4 大衛星や土星の輪(環)の観測などに没頭していたものですが、夢破れて社会へ出るようになってからは、天文から遠ざかっておりました。しかし、最近やたらと天文関係のニュースが目につくようになり、遅ればせながら天文誌を購入し最新の情報を得るべく努力をしている所です。

 

それによると、かつて学んだことと様相が一変し、冥王星が準惑星に格下げになったことや、輪(環)は土星の特有のものと思っていたのが、木星や天王星・海王星にもあること等「へぇー」と思うことばかりです。探査技術が発達し、各種惑星探査機やハッブル等の宇宙望遠鏡から得られる情報には目を奪われるものが多くあります。

 

先日の新聞には、南米チリにあるアルマ望遠鏡の観測結果から、おうし座のMC27(分子雲)の中に生まれたばかりの原始星の隣に、星が生まれる直前の卵が見つかったとの記事が載っていました。大阪府大と国立天文台のチームの成果だそうです。将来は連星になる可能性が高いとの事。地球から450 光年離れたところの出来事です。

 

また、欧州の彗星探査機「ロゼッタ」が目的のチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星にあと100km に近付いたとのニュースがありまし

た。今年の11 月には着陸機を投入して、調査を行う予定とのことです。ほかにもNASA の探査機「ドーン」が2015 年に小惑星のなかで最も大きく、最近の観測で水蒸気が立ち上っているのが確認された準惑星「ケレス」に到着することや、同じくNASA の探査機「ニュー・ホライズンズ」が2015 年7 月に冥王星のそばを通り過ぎ、詳細な観測を行う予定だそうです。

 

4 年前には小惑星探査機「はやぶさ」の帰還で日本中が盛り上がりましたが、今年の12 月には後継機「はやぶさ2」が打ち上げら れます。今度の目的地は小惑星「1999JU3」という前回サンプル・リターンに成功した「イトカワ」より大きな小惑星で、生命に必要な炭素を多く含んでいると考えられている星です。この星に金属を打ち込み人工的なクレーターを作り、そのクレーター付近に着陸して掘りだされた内部の物質を採取する計画です。サンプル・リターンに成功すれば、生命の材料となった物質の起源や変遷などが解明されるかも知れませんし、地球以外の天体にも生命の存在する可能性が発見されるかもしれません。

 

こんな情報に接して一人胸を踊らしている昨今です。「はやぶさ2」の地球への帰還は2020 年、東京オリンピックの年に予定されています。

 

 

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