スケッチのこだわり

公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 長野地域会

スケッチのこだわり

「スケッチのこだわり」(2006.09.15) 広瀬 毅(広瀬毅建築設計室)

 

図面はほぼ全てCADを使って描いている。今の事務所に移って5年になるけれど、ここにははじめからドラフターは無かった。もう15年もCADを使っていることもあり、CADで図面を描くことにはすっかり馴染んでいるし、むしろCADを使うことにむいているようにさえ思う。

 

図面を描く枚数は以前より減っているように思うが(その分スタッフの描く枚数は増えてい・・)、手書きのスケッチはできる限り多く描くようにしている。無印良品のダブルリングノートを仕事ごとに用意して、いつも持ち歩くようにして、思いついたときに描いている。(それ程ページは進まないけれど・・)

 

筆記具は水性のボールペンと色鉛筆。水性のボールペンはペンテルのハイブリッドの黒。水性ボールペンは実はスケッチを描く以外にはほとんど使わない。乾きが遅いので、書いてすぐ触ってしまうと紙を汚してしまうため使いづらい。文字を書いたりするのにはまず使わない。それをスケッチに使うのはそれがタッチをつけるのに都合がいいことと、乾いてしまえばにじんだり、かすれたりすることがほとんど無く、色鉛筆で着色するに都合がいいからだ。

 

そして「色鉛筆」。これはもう学生のときから、ベロールのイーグルカラー※一筋。筆記具はいろいろ試しているが、色鉛筆は絶対これ。100色以上ある色から20色を決めて(今はインターネットで単色で購入できるようになった。便利)、ほとんどその色以外使わない。イーグルカラーは芯が柔らかく混色が容易、柔らかく薄くも描けるし、ゴシゴシという感じで強く塗っても良い。色数も微妙なものも多く、特にグレーの種類が異様に多いのも良い。これはホント皆さんにお勧めします。

 

新しい発想はいつも「自分」と「自分以外の外部のもの」との「あいだ」から生まれると思っている。ちょっとややこしい話だが、スケッチはあくまで自分の描いたものだけど、一端紙に描かれて自分の外に出て行くとそれは「自分自身」とは違った眼で確認できるようになる。だから描いてすぐよりは、少し前に描いたスケッチを眺めていたほうが、新しい発想が生まれることが多いのだ。

 

※イーグルカラーは一時期市場から消えて困惑したが、今は名前を変えてサンフォードと言う会社からプリズマカラー(PRISMACOLOR)という名前でています。

 

 

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