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日本建築家協会JIA長野県クラブ

震災の現場でも見え始めた格差

「震災の現場でも見え始めた格差」(2007.09.04) 荒井 洋(HAL設計室)

 

8月23日にJIA長野県クラブの仲間3人と共に新潟県中越沖地震復興ボランティア活動に参加してきました。

えっ!この時期になってなぜ?とお思いの方もいらっしゃるでしょう。それはTV新聞等のメディアで報道されなくなっただけというだけ、まだまだ悲惨な状況は続いています。

 

水道、ガス、電気等、インフラの整備はほとんど終了したように見えますし、道路も完全に通行止めという場所は小さな道に限られています。倒壊した家屋の撤去も進み、車で走っていると震災地であることを忘れてしまうほどです。しかし妙に目立つブルーシートの屋根カバーに気づき始め、注意深く見直すと震災にあったほとんどの住宅が手つかずの状態であることが判ります。既に過去のことのように感じていた自分が恥ずかしくなります。

ボランテイアセンターには様々な地方から人が集まり一生懸命活動を続けていました。仮設住宅に引っ越すための家財を被害にあった家から出したい、あるいは家の中の片づけを手伝って欲しい。という依頼に答え始めているのですが、地震直後の緊急判定で注意や危険の判定を受けている建物にはボランティアは入ることが出来ません。

 

そこで我々専門家が内部の調査をして活動の可否判定をします。OKがでれば内部に入って活動できるという、地道な作業が続いています。しかしこの様な依頼が出来る人はまだましで、隣では完全に傾いた住宅の前で肩を落として無言のまま座り込んでいる人がいます。どう見ても解体して撤去するしか方法がないのですが、業者の手がないのでしょうか先が見えていない状況のようでした。別隣では何もなかったかのように普段の生活が営まれています。

 

地盤の強度、建物の強度、ほんの少しの差が地震の後は大きな差となって住まい手を翻弄しています。建築基準法は人命を守ることを基本としています。当然、我々建築家はそれを守って設計をしていますが、地震後使えないものであって良いのか?という疑問が残ります。開放感と地震に対する強度は相反するものです。強度を保ちながらデザインの良い建物を造る。今後真剣に考えていかなければならない、そして解決していかなければならない重要な課題が与えられました。

 

 

     2020/09/10  事務局ブログ, 建築家のひとりごと

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