天譴

公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 長野地域会

天譴

「天譴」(2011.07.27) 丸山幸弘(館 設計工房)

 

私は今回の大災害を体験(体験というほど直接的ではありませんが)して、個人的に 「生活する」ことや「暮らす」ということの意味など物の考え方が少し変化した感じを受けている。

 

皆様も多かれ少なかれ有るのではないかと思います。今までのように経済性や効率優先を重要視する物の考え方から何か精神性と言うか何とも言葉では言い表せないプラスαの部分を感じているのではないかと思います。 今回の大災害が起きた時に石原都知事が「天罰だ!」と発言した事が報道されましたが、有る意味その部分があるのではないかと思う。 昔から日本人が持っている物の考え方で、日常では考えられない大事件が起きた場合に働くようである。かつて経験した神戸大地震、関東大震災など起こるたびに「天譴論」が議論されました。今回もその天譴論が議論されています。

 

日本人のDNAの中には、自然災害に対して自然の猛威を受け入れるという姿勢を一部持っている気がします。しかし今回は自然災害と割り切れない「原発」という人災をどう捕えるか、第二次世界大戦という愚かな行為の中で日本が経験した原子爆弾 の脅威に匹敵する人災である。自然災害の天譴とは意味が違う天譴であると思う。

 

私達の日常の中で生産性とか経済性を優先する思考をもう一度、根底から考え直した方が良いのでは言われているようである。 この機会を転機として自らの生活を見つめ直し今後を暮らしていこうと思っている。と言いつつも、はっきり結論が出せない日々が続いています。

 

 

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