オープンハウス

公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 長野地域会

オープンハウス

「オープンハウス」(2006.07.15) 山田健一郎(山田建築設計室)

 

昨今、建築がテレビや一般誌メディアに多く取り上げられ、2次元の情報として建築を目にする機会が増え、オシャレなデザインや奇抜なアイデアに目を奪われます。しかし、建築は3次元の世界で、とりわけ住宅は生活の場ですから、ヴィジュアルとしての美しさよりも五感で建築を感じることが大切です。

 

佇まいや雰囲気を感じるには、実際の空間を体験するしか方法はありませんが、やぶから棒に他人の家を覗き込む訳にもいきません。お施主さんにご了解頂いて、完成入居前の住宅を特別に公開していただくオープンハウスが、許されるであろう数少ない機会です。

 

私の事務所でも今まで何度かオープンハウスを行いましたが、それが新たなお施主さんとの出会いの場になり、そこでの空間体験やイメージの共有がその後の設計に大きく影響しています。それぞれの方が「五感で建築を感じること」を大切にしてくださり、自分の住宅が完成すると、今度は別の方々の為にオープンハウスをしてくださるご厚意には、毎回とても感謝しています。

 

その度に多くの方にご覧になっていただいて、我々も多くの事を学びます。住宅の設計とは、施主と建築家の一対一の私的な作業で、住まう方が何を大切にするかを探りながら住宅を造り上げていきます。住宅は住まい手が満足できれば良く、批評の対象ではありませんが、ご覧になった一般の方・建築家の仲間・先輩たちから色々な感想をお聞きする中で、別の考えや違った物の見方を知ることが出来ます。オープンハウスは、小さな設計事務所で狭い世界に陥りがちな私にとって、自分の視野を広げる大切な機会になっています。

 

私事ですが、今回お施主さんのご厚意を頂いて、7月23日(日)に私の設計監理した住宅のオープンハウスを行います。興味のある方は、是非お越しください。詳しくはホームページ:http://www15.ocn.ne.jp/~ya-ao/:をご覧下さい。

 

 

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