優秀建築展 2006
2006年08月17日
「優秀建築展 2006」(2006.08.17) 山口康憲(ア-バ-建築事務所)
第2回目の「優秀建築選2006」が7月31日に締切られました。応募数が360程度ということですから、昨年より100作品程度少ないようです。昨年はJIAの新たな賞の創設に当って周知期間が短かったので、作品数の確保からラージファームに働きかけをしたこともあり予想を上回る応募がありましたが、中身を見るとアトリエ系では大御所から若手まで期待した程ではありませんでした。
一般会員にとって広く研鑽の場となるべく意図された賞ですが、今年の応募数を見る限りでは定着までにはまだ数年はかかりそうな気がします。
「日本建築大賞」はJIAとしての戦略もあり、「学会賞」は当然意識したものとなりました。私は審査員の資料集めを担当しましたが、最終的に決定された顔ぶれは大賞の方向性を予感させるものでした。それは「新たな可能性」、「独創性」を重視する視点と言えると思います。
8月31日の建築選の200作品を選ぶ過程で、世界的にも評価の高い「金沢21世紀美術館」ではなく「梅林の家」に審査員の支持が表明された時に明確にそれを感じました。結果に対しては当然賛否両論あることでしょう。私自身のコメントは差し控えますが、「社会に対して開かれた建築の普遍性」というような対立軸に対する評価は3点の協会賞でバランスを取ったということだと思います。
200作品を選ぶ「優秀建築選」は「大賞」とは違い、地域の風土・文化を尊重した地道な活動にも光を当てる評価軸を重視していますので、長野県クラブの仲間も1回や2回の落選にめげることなく応募し続けるようお願いします。
尚、タスクフォースのメンバーは昨年の新人賞を受賞した石黒由紀さん、西沢大良さんも新しく加わる予定です。年令や実績に関係なく発言できる開かれた場ですから、当会でもぜひ若い人に手を挙げて欲しいと思います。