「建築家賠償責任保険」講習会 職能委員会からの報告

公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 長野地域会

「建築家賠償責任保険」講習会 職能委員会からの報告

「建築家賠償責任保険」講習会 職能委員会からの報告(2007.06.01)  片倉隆幸(片倉隆幸建築研究室) 

 

職能委員会から5月24日株損保ジャパン長野支店にて開催された。「建築家賠償責任保険」講習会についてのご報告をさせていただきます。最初に損保ジャパンの蔵田さんより建賠内容についての説明がありました。

 

欠席された方の質問に 事務所協会や士会に比べてここが違うんだというところがありましたら教えてほしいということでした。これについては事故対応特別費用担保条項といいまして、訴訟に対処する費用として事故の原因調査費用や意見書・鑑定書作成に要する費用等を保険金として支払う点、人格権侵害担保条項といいまして業務遂行に起因しての自由の侵害、名誉の侵害、プライバシーの侵害等により法律上の賠償責任を負担された場合に保険金を支払う点の2点が他と違うようです。保険の金額は5年間赤字ということもありますが、これは士会、事協も同じで保険料は値上げするようです。

 

このあと、事故セミナーにて 日本設計執行役員の水野一成先生からお話がありました。述べられた中で重要なことは監理的なミスにともなう設計責任がふえているようです。特に基本的な想像力、すなわち雨漏りに対する配慮にしても、設計時に雨漏りする要因は、水と、すきまと、水を動かすエネルギー、があると雨漏りするのだけれどその辺に基本的な配慮がなく設計してそのまま施工してしまうとか、鉄骨造にタイルを貼る時、目地のない設計をしてしまうとか基本的な想像力の欠如に伴うものが多いといっていました。

 

デザインばかり重視して、失敗している方のために保険料が高いということは必ずしも言えないようです。 また設計図がきちんとしていない、検図者の名前がないとか、指示書、説明責任をきちんとしていないなど事故がおこると必ずこうした問題が多いようです。

 

クラブからの参加者は7名と少なかったのですが、質問も活発で有意義な時間でした。僕も建賠は加入しておりますが、今回は勧誘目的でなく基本的な建賠の役割を確認することができ良かったと思います。

今後も建築家資格制度が進む中で自らの責任のとり方についてはきちんとした自覚が必要と思います。会員各自が説明責任をきちんと果たしてきちんとした業務に臨みたいと考えます。

 

 

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