「大阪研修旅行」1日目レポート『百聞は一見に如かず』

公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 長野地域会

「大阪研修旅行」1日目レポート『百聞は一見に如かず』

JIA長野県クラブ 正会員建築家 髙橋正嘉さんより「大阪研修旅行」1日目のレポートが届きました。

日程:2023年 6月23日(金)~ 24日(土)
正会員建築家18名、法人協力会員3名、個人協力会員1名、事務局 合計23名が参加しました。

 

私にとってJIA長野県クラブに入会後、初の研修旅行ということでした。勝手が分からないこともあり、どうなるだろうという不安もありながら、個人的には久しぶりの大阪なのでワクワク感とが入り混じった旅の始まりでした。

そんな感じでスタートしてすぐ、バスの中では早めの時間からのアルコールで大分気が緩んでしまいましたが、最初の大阪府立狭山池博物館に到着して建物を見た途端、研修旅行ということを思い出させてくれました。

というのも俗に言う安藤建築を見るのは久々で、その迫力に圧倒されたのは確かでした。また、土木構築物の博物館とあって、どれも迫力のあるものばかり。安藤建築だからこそ展示している土木構築物に負けないデザインによってこの建物全体が成立しており、こぢんまりとしたデザインではどうにも太刀打ちできなかっただろうなというのが正直な感想でした。細部のディティールなどもその迫力さから来るものであることが分かって、またひとつ勉強になりました。

写真:大阪府立狭山池博物館のエントランス
手摺の太さは建物全体のスケールからかなり太くデザインされている。また空間構成もダイナミックで見応えあり。

その後の大阪府立木材仲買会館では、狭山池博物館とは対照的に、細部まできちんとデザインされた建物で、設計の楽しさを思い出させてもらいました。

設計当初はまだ国産木材の利用促進を促す機運が出始めたばかりで、まだ実例も少ない中、実験を繰り返し様々な工夫を凝らしながら、内外とも木材を積極的に採用しており、建物の至る箇所にその心意気が感じられて、非常に勉強になりました。また、木という性質上経年劣化に弱いということを前提にして、建物のメンテナンスを含めて実験的な役割を果たしていることにも大変感心しました。

写真:大阪府立木材仲買会館の防音壁のディティール。
集成材のフィンガージョイントを利用している。離れてよく見ると年輪の模様が見えてくる。

ホテルに到着後は大阪府立中之島図書館と大阪市中央公会堂を、ガイドさんのもと見学をしましたが、移り行く時代の中で大事にされてると同時に今も利用されていることが十分に把握できて見学時間は短いものの、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。

百聞は一見に如かずとよく言いますが、建物を実際に体感することの大切さが身に沁みた1日目となりました。

大阪府立中之島図書館

大阪市中央公会堂

 

 

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