立春が過ぎるともうそこは春

公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 長野地域会

立春が過ぎるともうそこは春

「立春が過ぎるともうそこは春」(2010.02.12) 赤羽吉人

 

立春が過ぎるともうそこは春、と言いたい処ですが、何度目かの「この冬一番の・・・・」に乗ってやってきた寒気で、北信の山沿いは大変な大雪に見舞われています。春先までの積雪を確保できたスキー場は今年は雪については一安心。スキー客の到来を待ち侘びています。

 

日一日と陽の暮れるのが遅くなっており、夕方5時ではまだ明るい今日この頃です。
この冬猛威をふるっていた新型インフルエンザですが、どうやら流行の峠を越えたらしく、報道もかなり下火になってきました。不運にも罹ってしまった方は大変でしたね。

 

さて、来年9月のUIA東京大会に向けての準備活動が今年のJIA活動の中心になるという見通しを前回の「一言」で述べましたが、その口火を切る形で1月15日、建築家会館で関東甲信越支部新年の集いの企画として、「日本の建築生産システムにおける建築家職能」をテーマに据えて「2011年の建築家を考える」シンポジウムが開催されました。

 

これは現時点でJIA関東甲信越支部の提唱している企画ではありますが、UIA大会本来のメインプログラムともいうべき格付けと意味合いのテーマ設定であって、本大会に向けて繰り返し行われる予定の連続シンポジウムを通して、建築家の職能というものを私たちだけでなく一般の方々を含む社会全体の問題として捉えるきっかけにしようと試みるための企画です。

 

第1回のシンポジウムでは、「Professionalism」の訳語としての建築家職能について、建築五会の代表或いはそれに準ずる立場のパネリストの方々から、実に辛辣で貴重な意見を聞くことができました。JIAに対する会員としての忸怩たる想いといったものも多く含まれており、JIAとしてはそれらの提起された問題に組織をあげて真摯に取り組み、具体的な対応をとることが求められています。しかしながらその反面、「UIA大会に向けて」という錦の御旗を掲げたことで、もしかすると殆ど可能性がないと考えられていた団体間の胸襟を開いた話し合いも、あながち不可能ではないかもしれないとの楽観的観測も、ほんの少しではあっても期待できるのではないかと思えてきました。

 

こういった観点から見ていくと、今まで他人事だと思っていたUIA大会が、実は自分たち設計を生業とするものにとって、職能の確立や業務環境改善を目指す上で、全く漠然としていたものが何らかの形を帯びて具体的な議論を巻き起こすことに繋がる、大きなきっかけとなる可能性があるとの確信に近い想いがあります。

 

県クラブ会員の皆さん、この機会に、大会への参加意義を改めて考えてみませんか。確かに、長野県に住んで大会に参加しようとすれば、参加登録費に加えて、往復の交通費も宿泊費もかかります。時間も費やさねばなりません。しかしそれを上回る何かが必ず得られると、私は確信しています。

 

具体的な大会プログラムもようやく公表されることになりました。期待して下さい。
シンポジウムの記録も、建築家3月号(2月15日発行)にダイジェスト版が掲載され、発言内容そのままの全文記録も同時に関東甲信越支部HPに載ります。真剣に目を通して下さい。大変興味深い読み物です。

 

大会までの大まかなスケジュールや、参加登録の具体的手続き等については次回以降にお話しします。それまで待てない方はUIA大会準備特別委員長の片倉さんにお申し出下さい。是非皆さんの参加を実現させましょう。
イベントが目白押しです。2月20、21日に塩山・勝沼を中心に保存問題山梨大会が、2月27、28日には松本市美術館でJIA長野県クラブの建築祭が開かれます。多くの皆さんの参加を期待致します。

 

 

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