『建築家とつくる家 第20集』発刊によせて
2025年03月14日
『建築家とつくる家 第20集』発刊にあたり山田健一郎代表からのメッセージです。
JIA長野県クラブの「建築家とつくる家」は創刊から四半世紀が経ち、第20集となる2024年度の新刊を皆様にお届けいたします。
1999年、ハウスメーカーの住宅を購入するのが一般的で、建築家に住宅設計を依頼する事がめずらしかった時代に、「愛と情熱の家づくり・建築家とつくる家」と題して、長野県内で設計活動を行う建築家の熱い思いを伝える本としてスタートしました。そんな先輩達の熱い想いや、建築文化に対する関心の高まり、建て主の方々の地域環境と調和し個性を活かした家づくりをしたいというニーズもあり、昨今では建築家・建築士の設計した住宅に暮らす事も一般的になってきました。
一方で、近年の物価高騰や高断熱住宅の義務化等に伴う建設費の増大等で、建築主が理想とする家づくりのハードルが高くなっています。そんな世相を反映して、今回の第20集には、古民家や古くなった家をリフォーム・リノベーションした住宅も多く掲載しています。
今回の「変わるもの・変わらないもの」というテーマには、古くても価値のあるものを大切に使いつづけるという想いの他にも、地域の営みや自然環境と調和する、あるいは家族の生活の変化を見据えて長く使われる住宅を目指す等、これから益々重要になるサスティナブルな社会のあり方に対する、建築家のメッセージが込められています。
「建築家とつくる家・第20集」が、自分たちの想いを叶えた家に暮らしたい、建築を通してこれからの地域社会のあり方を考えたい、そんな皆様の一助となって頂ければ幸いです。
2025年3月
公益社団法人 日本建築家協会 The Japan Instisute of Architects(JIA)
関東甲信越支部 長野地域会(JIA長野県クラブ)
代表 山田 健一郎