代表就任のご挨拶
2020年05月12日
JIA長野県クラブ 代表就任のご挨拶
籠もりっきりのゴールデンウィークでしたが、ひと雨ごとに緑は濃さを増し、次から次に庭の植物は花を咲かせています。
荒井前代表からバトンを頂き、代表の重責を引き継いだ飯田市の新井 優です。
大変に難しい時期ですがより良い社会の推進力として役立てるように、建築家の集まりでもあるJIA長野県クラブらしく力を合わせて頑張っていきましょう!
ご存知のフランク・ロイド・ライトが一般の家族向けの住宅「ユーソニアンハウス」に取り組んだのは、1929年に発生したウォール街の株価大暴落から始まる世界大恐慌時です。手頃な価格で魅力に満ちた小住宅と言われています。
新型コロナも少し落ち着きの様相を見せていますが、ゲリラのように第二、第三波を繰り返して収束に向かうと言われています。これからも決して油断してはなりませんが、信州のアフターコロナの世界は『新しい日常』の様にけっして内向きではなく、より愛情あふれる社会コミュニティであることを理想としたい。その社会コミュニテイの基本単位が家族であり住宅です。籠もりっきりの毎日ですが住環境の良さに救われたと施主に感謝されている会員も多いと思います。それこそが『居住福祉』として我々が胸を張って誇れる仕事です。
しかし、3.11の記憶が残っている中でも、街なかの建築が脱原発や自然との共生に素直に向かっているとは思えません。今回の新型コロナは今一度、建築のあり方、家づくりと住まい方を再考させられるインパクトを持つと思われてなりません。
30℃を超える初夏のような日が訪れています。今年の夏はエアコンを効かせた部屋に籠もるのは止めて、窓を大きく開けて自然の風を通し、庭先の小路を歩く隣人と挨拶したりする、ささやかな自然や社会との共生を始めることもアフターコロナの新しい日常です。
停滞した日常を、建築づくりを通して元気に健康にしていくのも建築家の役割です。JIA長野県クラブは常に『学ぶ』をテーマとして活動と交流を行うことで、より一層建築家として社会に貢献できることを目的にしています。
新代表としては右往左往しておりますが、ご指導をよろしくおねがいします。
新井 優(新井建築工房+設計同人NEXT)