夏のセミナーの報告 ①(香取市佐原)

公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 長野地域会

夏のセミナーの報告 ①(香取市佐原)

JIA長野県クラブ 正会員建築家 山口康憲さん(アーバー建築事務)から『 夏のセミナーの報告 ① 』です。

 

正会員建築家19名、法人協力会員2名、一般4名(行政1名、建築士会3名)、事務局1名 合計26名 参加しました。(2019年7月19日~20日)

※夏のセミナーの報告は、訪問先別に数回に分けてお届けします。

 

【佐原の街並み散策】7月19日(金)

 

 JIA長野県クラブの夏のセミナーで千葉県香取市佐原を訪問した。

佐原は1996年に関東初の重要伝統的建造物群保存地区に指定された江戸時代からの商家のまち並みで知られる。“北総の小江戸”とか“水郷の町”と呼ばれ、水運と街道で栄えた商家町だそうである。

 

忠敬橋を中心として小野川沿いに700m、香取街道沿い1000mが重伝建に指定された範囲で、参加者は勝手気ままに散策した。

 

古くは南北朝時代からまち並みを形成していたそうだが、1892年の大火で多くを焼失し現存する建物の多くは、それ以降に建造されたもののようである。まち並みの中に点在する外壁が土蔵造りの建築は大火以前と思われるが、多くはそれ以後の明治後期から大正にかけて建造されたものだろう。通りの正面が板張りの建築(側面は土蔵造りのものもある)がそれに当たる。卯立がないことと合わせて、大火の後再建した建築の特徴としては疑問に感じた。

 

川上恵一さんによると、妻入りや寄せ棟が点在するのは珍しいそうです。外壁は杉板と思われるが、無塗装で統一されていて、瓦は燻瓦が多く景観に寄与していると感じさせた。

 

 白川郷などと並んで重伝建第一号となった南木曽の妻籠宿のような統一された景観ではないが、200年以上にわたって形成されたまち並みを住居や観光的なスポットとして、部分部分を再生しながら丁寧に修景している努力に敬意を評したい。

 

 

 

 

 

夏のセミナーの報告 ②(中国木材㈱ 鹿島工場)へ続く

 

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