日本建築家協会JIA長野県クラブ

公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 長野地域会

構造設計で感じる事 その1

「構造設計で感じる事 その1」(2006.07.15) 伊藤正明(伊藤構造計画工房)

 

22年ほど前に構造設計事務所に就職した当時は、構造計算は基本的に手計算で行うのが主流でした。しかし、すぐにパーソナルコンピューターが入り、フレームの応力計算はコンピューターで行い、断面の設計は、手計算で行っていました。当時はコンピューターを使っても、出てきた結果(数字の列)を応力図に書き写しながら力の流れを確認していました。

 

現在は、一貫計算と言って、モデルを入れると、荷重拾いから断面算定まで一気に計算してくれるソフトが主流となり、荷重を拾ったり、応力図を画いたり、断面の計算をしたりする時間は短縮されましたが、その分、建物の力の流れを確認する作業も減っていて、構造に対する理解が以前ほど深まらないと感じます。

 

断面計算も同様で、手作業でやっていると色々な数値を覚えていくのですが、表計算で行うと計算内容が頭に残りません。コンピューターが無いと出来ない事が多いのですが、無くしている物も多いと感じます。人間は頭ではなく、手で物を考えているのは?と感じています。

 

 

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