新潟研修旅行の報告⑦(北方文化博物館)
2025年07月23日
JIA長野県クラブ 正会員建築家 藤松幹雄さんから『新潟研修旅行の報告⑦』です。
研修旅行最後の地が【北方文化博物館】越後の豪農 伊藤家の館
阿賀野川の西岸「沢海」は西に信濃川もながれる肥沃の地。
江戸時代は新発田藩から分藩沢海城と呼ばれた陣屋があり、その後は天領となる。江戸中期この地に農より身を起こし、代を重ねて豪農の道を歩み、やがて巨万の富を築いた越後随一の大地主が伊藤家一族。
この日の朝に見学した新潟市民芸術文化会館隣接の白山神社まで自分の敷地を歩いて参拝できたとか。
戦後の農地解放で土地は伊藤家から離れる。
その本邸に近づくと、大寺院を思わせるお屋敷の規模。残念ながら45分とタイトなスケジュールでの見学となる。
映画「椿三十郎」織田裕二版(東宝)のロケ地、他「鬼滅の刃」館のモデルでは?等、話題になった博物館でもある。
敷地:8,800坪
建物:1,200坪(部屋数65)純日本式住居
終戦後昭和21年遺構保存のため「財団法人北方文化博物館」創設
財団に寄付
戦後 私立博物館第1号
平成12年4月 国登録有形文化財登録
1、伊藤邸主屋
明治5年(1887)近代和風の大邸宅
館ガイドさんによる解説。
60人もの使用人を抱え、女中さんや子供達は主屋の2階で過ごしていた。
中庭を見る腰壁のある広縁。広縁下屋の桁はお屋敷の中でも一番長い杉磨丸太30m1本物。
ほかにも同様の杉丸太が4本使用されている。産地は阿賀野川上流の会津三島より切り出された杉材で、筏で運ばれたものだ。
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